世界で最もこどもの割合が低い日本:コロナ禍で23区は軒並み増加。最も増加は印西市

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人口4,000万人以上の国34カ国で日本はこどもの割合が最低

図表:世界におけるこどもの割合ランキング(人口4,000万人以上の国) 出典:総務省統計トピックスNo.131から筆者作成

総務省が「こどもの日」に合わせて、2022年4月1日現在におけるこどもの数を公表した。

こどもの数(15歳未満人口)は、前年に比べ25万人少ない1,465万人となり、1982年から41年連続の減少で過去最少となった。

11.7%という総人口に占めるこどもの割合は、人口4,000万人以上の国34カ国で比較すると日本は最も子どもの割合が低い国である。

本題とは逸れるが、この1年で世界で人口4,000万人以上の国は3カ国も増えた。

総務省統計トピックNo.131

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こどもの割合最高都道府県は沖縄県。最低は秋田県

こどもの割合を都道府県別に見ると、最も高いのは沖縄県の16.5%、次いで滋賀県13.4%、佐賀県13.3%となっており、一方で、最も低いのは秋田県の9.5%、次いで青森県10.4%、北海道10.5%となっている。

例年、このタイミングで、同様のコラム、『【自治体ランキング】世界で最も子どもの割合が低い日本。自治体ワースト50には新宿区・中野区も…』、『【自治体ランキング】世界で最も子どもの割合が低い日本。自治体ワースト50には23区から4区…』と書いてきたが、今年、大きく異なるのは、ワースト50から23区が一つもなくなったことがあげられる。

こどもの割合最高自治体は、豊見城市、合志市、長久手市

図表:市区別こどもの割合 トップ50(2021)出典:令和3年および令和2年の住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)より筆者作成

国内で最もこどもの割合が多かった自治体は、19.5%で豊見城市(沖縄県)。

次いで、18.5%で合志市(熊本県)、18.2%で長久手市(愛知県)と並ぶ。

都道府県でもダントツだった沖縄県の自治体がトップ10のうち8市を占めた。

こどもの割合最低自治体は、歌志内市、夕張市、熱海市

図表:市区別こどもの割合 ワースト50(2021)出典:令和3年および令和2年の住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)より筆者作成

逆に、こどもの割合が最も低かったのは、4.6%と極端に低い歌志内市(北海道)。

次いで、国内平均の半分以下の5.6%の夕張市(北海道)、5.9%の熱海市(静岡県)と続く。

ワースト10の中には北海道の自治体が4市入った。

こどもの割合最も増えたのは印西市。人数増は流山市

図表:市区別こどもの割合増加 トップ50(2021-2020)出典:令和3年および令和2年の住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)より筆者作成

こどもの少なさは、日本全体の大きな課題と言えるが、こうした状況を改善していこうという自治体の努力も見られる。

今年は、2022年と2021年のこどもの割合の増加についても調べてみた。

この1年で最もこどもの割合が増えたのは、印西市(千葉県)で0.355Pも増加した。

次いで、0.345P増の文京区(東京)、0.308P増の福津市(福岡県)、4位は千代田区(東京都)、5位は中央区(東京都)と続く。

ベスト20に23区が10区入っているのが特徴で、「コロナ禍で東京から離れて地方に」などと言われているが、子育て世代は逆に23区に増えていることが分かる。

こどもの人数で見ると、最も増えたのは1,239人増の流山市(千葉県)で、増加人数も増加率も1位は千葉県の市となった。

増加数の2位は品川区(東京都)、3位は文京区(東京都)、4位は印西市(千葉県)、5位は杉並区(東京都)と、東京都と千葉県の自治体が占めた。

コロナ禍で、人口の流動化の可能性もある中で、こうした自治体間の取り組みによる競争も今後注目してもらいたい。

ちなみに筆者の住む市川市は2021年のこどもの率が815市区中386位、率も減少で153位、増加数では327位と、東京都と隣接する好立地にも関わらずパッとしない。こうしたところにも政治や行政のレベルが反映しているように思う。

こどもの割合最も減ったのは富谷市。人数減は横浜市

図表:市区別こどもの割合減少 ワースト50(2021-2020)出典:令和3年および令和2年の住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)より筆者作成

一方で、こどもの率がこの1年で減少した自治体もある。

最も減少したのは、富谷市(宮城県)で0.559Pも減少している。

2位は0.527P減の留萌市(北海道)、3位は0.494P減の白井市(千葉県)、4位は南足柄市(神奈川県)、5位は八幡市(京都府)と続く。

こどもの率の減少ワースト自治体に都道府県の特徴はなく、9位には東京都の武蔵村山市なども入っている。

こどもの数の減少で見ると、5,047人減で横浜市(神奈川県)2位が神戸市(兵庫県)で2,791人減、3位が京都市(京都府)で2,560人減、4位が千葉市(千葉県)で2,111人減、5位が江戸川区(東京都)で2,053人の減と、関東関西の県庁所在地からの減少が目立っている。

一方でこうした自治体は2021年もこどもの数は上位である。

横浜市は1位、神戸市は7位、京都市は10位、千葉市は13位、江戸川区は21位だ。

こうしてみると、こどもの数の上位自治体も常に勝ち組というわけではなく、むしろ減少傾向にあることも見えてきた。

コロナ禍で変わりつつあるこどもの増減は今後も注目

コロナ禍において、こどもをどこで育てていこうという考え方も変わってくるのかもしれない。

時代の転換期の中で、世界で最もこどもの割合が低い国であるという状況の中で、こうした課題をどう解決していくのか、こどもの日を機会にこうしたことを考えるきっかけにしてみてはどうだろうか。

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