Google、Apple、Microsoftは、FIDOアライアンスとワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)が策定した共通のパスワードレス認証のサポートを拡大すると発表した。
3社のプラットフォームでは既に、FIDOアライアンスが作成したパスワードレスの認証規格をサポートしている。FIDOアライアンスは、パスワードとフィッシングの問題を解決するために結成された、オープン規格を目指す業界団体だ。
しかし、これまでの実装方法では、最初に各ウェブサイトやアプリにサインインしなければ、パスワードレス認証が利用できない。各社が今回進める取り組みにより、ユーザーはすべてのアカウントに再度ログインすることなく、既存または新規デバイスでパスキーと呼ばれるFIDO認証資格情報に自動的にアクセスできるようになる。また、稼働しているOSやブラウザーに関係なく、携帯端末でFIDO認証を使用して、近くのデバイスでアプリやウェブサイトにサインインすることも可能になる。
3社は今後1年間で、この新機能を自社プラットフォームで提供していく。
パスキーは暗号化されており、認証時にユーザーのオンラインアカウントにのみ提示されるため、パスワードよりもはるかにセキュリティが高い。一方、パスワードは、フィッシング詐欺に対して脆弱であるとともに、同じパスワードを複数のアカウントで使い回すなどの悪習慣が適用されがちだ。
しかし、各社の取り組みが完了しても、まだ自分のパスワードを忘れてはいけない。開発者がそれぞれのウェブサイトやアプリケーションにパスキー機能を実装する必要があるためだ。
開発者はこれを行うために、ブラウザーやOSで提供されているAPIを使用して、暗号化されたサインインメッセージを取得し、それをサーバーで認証することができると、Googleの情報セキュリティ担当製品管理ディレクターでFIDOアライアンス会長を務めるSampath Srinivas氏は、米ZDNetへの電子メールで説明した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。