自販機ポカリの値段が気になったので、計64台を調べてみました
皆さんご存知、水分&イオン補給に適した飲み物であるポカリスエット。身体の水分に近い成分と浸透圧であり、極めてスムーズに吸収されることから飲む点滴ともいわれている。
これから初夏を迎えるにあたり、熱中症対策に飲む機会も増えることだろう。かくいう私も汗をかいた際によく飲むのだが、ある時ふと思った。自動販売機で売っているポカリスエットって、値段がまちまちじゃないだろうか。
駅の自販機ポカリは150円均一
私が自販機ポカリの値段について気になったきっかけは駅である。私は時々に電車で長距離移動をするのだが、乗り換えの待ち時間に飲みものを買おうとすると、いつもポカリは150円なのである。
おそらくは電車内での熱中症予防のため、ポカリだけは少しだけ安めの設定にしているのだろう。
このように駅の自販機では150円のポカリであるが、以前、私が住む綾瀬市を踏破した時(参考記事「綾瀬市の全地区を歩いたら見えてきたこと」)にポカリを何本か買って飲んだ際には、自販機によって値段が違っていたような気がするのだ。
町中にある自販機ポカリの値段設定はどうなっているのか、ちょっと調べてみようではないか。
ポカリの値段は自販機によって様々だ
まずは家の近所にある自販機を周ってみよう。身近な場所なだけに自販機の位置は分かっているので、散歩がてら調査である。
周波数点滅の関係で値段が一部しか写ってなくて申し訳ないが、同じ自販機にあるペットボトルのお茶や桃のジュースは160円なので、やはりポカリだけは少し安く設定されていることが分かる。
もっとも、これはポカリだけが特別安いのではなく、この自販機は缶コーヒーが120円でペットボトルのお茶が130円と全体的に安い。近くにスーパーなどのお店がない立地でもあり、近所の人々から重宝されていることだろう。
常にポカリが割安であるとは限らない。確かにスーパーやドラッグストアなどでもお茶はお買い得なことが多いが、ポカリはあまり安売りをしていない印象だ。それを考えると、これが普通の値段設定なのかもしれない。
正直これには驚いた。同じ場所に並んでいる自販機でありながら、一方は160円であり、もう一方は150円なのだ。アサヒ飲料は正面を向いており、伊藤園は横を向いているので、何も知らなければ160円で買ってしまうかもしれない。
自販機の値段は設置者と業者の交渉によって決められるそうだが、その交渉の結果がこの値段の差に表れているのだろう。おそらく設置者的には同じ150円に統一したかったのではないだろうか。
同じ商品が並んでいるのだから、アサヒも本当は150円に据え置きたかったはずだ。しかし、それでも160円にせざるを得なかった、やむを得ない事情があるのだろう。その背景を想像すると、なんだか切なくなってくる。
大塚製薬のお膝元である徳島県には大塚製薬の自販機があちらこちらにあり、四国遍路では大変お世話になった(自販機を見かけるたびにMATCHを買った覚えがある)。
しかし徳島県以外では大塚製薬の自販機を町中で見かることはあまりなく、かなりレアなのではないだろうか。
またポカリスエットは業者管理の自販機のみならず、個人管理の自販機にもよく入っている印象だ。
ブランド名が書かれていないこの自販機は、業者ではなくお店が管理しているのだろう。なのでポカリもMATCHも140円と値段を低く抑えている。
――と、私の家の近くにある自販機を調べただけでもポカリの値段には微妙な差があることが分かった。またポカリスエットが入っている自販機のブランドは「アサヒ飲料」「伊藤園」「ディライト」「大塚製薬」などであることも把握できた。
とはいえまだまだサンプルの数が少なすぎる。もっと多くの自販機を調べることで立地と値段の関係などが分かるようになり、より安い自販機の位置を読めるようになるのではないだろうか。というワケで、さらに探索範囲を広げて探してみることにした。
64台の自販機を調査した結果
今回調査した範囲は私が住む神奈川県の中央部である。具体的には綾瀬市、海老名市、座間市、大和市、藤沢市、横浜市泉区、瀬谷区のそれぞれ一部地域だ。
その結果、ポカリスエットが入っている自販機を計64台見つけることができた。以下にブランドごとの台数とポカリの値段の平均値、および値段分布を表にまとめる。
ブランド | 台数 | 平均値 |
アサヒ飲料 | 39 | 145.3846円 |
伊藤園 | 15 | 144.6667円 |
ディライト | 5 | 134円 |
大塚製薬 | 2 | 140円 |
その他 | 3 | 140円 |
合計/全平均値 | 64 | 140.8103円 |
160円 | 150円 | 140円 | 130円 | 120円 | 合計 | |
アサヒ飲料 | 9 | 10 | 13 | 7 | 0 | 39 |
伊藤園 | 0 | 11 | 2 | 0 | 2 | 15 |
ディライト | 0 | 1 | 2 | 0 | 2 | 5 |
大塚製薬 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
その他 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 3 |
合計 | 9 | 23 | 20 | 8 | 4 | 64 |
ブランドで圧倒的に多いのはアサヒ飲料であるが、160円のものが結構あった印象だ。それでも140~150円が中心であり、平均値も約145円と駅より安い。
アサヒ飲料以外はすべて150円以下の設定であり、特に伊藤園は150円のものが多かった。ディライトは5台のみだがさらに安い印象で、大塚製薬は2台しか見つけることができなかったがどちらも140円だ。その他は個人管理の自販機で、値段は130円、140円、150円とバラつきが見られた。
最安値は120円で、伊藤園とディライトが2台ずつである。ちなみにペットボトルではなく缶の500mlを含めると90円のところもあったが、ペットボトルでの値段で比較したいので缶は除外した。
安い自販機はポカリが安いというより商品全体が安い
安い自販機の特徴として、ポカリだけが特別割引されているわけではなく、自販機の商品全体が安いという点が挙げられる。エナジードリンクを除けば、むしろポカリが一番高いくらいである。
私はポカリしか見ていなかったからポカリの値段がまちまちであるように感じていたのだが、実際に調べてみたら、なんていうことはない、商品全体の値段がまちまちだったというオチである。
しかしながら、ポカリの値段はその自販機の安さを評価する基準として使えるのではないかと思う。
またアサヒ飲料の自販機の中にはポカリが入っていないものもあるので注意が必要だ。
アサヒ飲料にはスーパーH2Oという自社商品のスポーツドリンクがあるので、そちらを推したい自販機にはポカリが入っていないのかもしれない。
とはいえ全体数からみればポカリが入っていないアサヒの自販機は少数なので、もし遭遇したとしても慌てず冷静になって近くを探せばポカリが入っている自販機を見つけることができるはずだ。
安さを求めるなら工業地帯を目指せ!
今回の調査の結論は、安い自販機を探すなら工業地帯に行けというものである。というのも、最安値である120円の自販機は、そのすべてが工場や倉庫にあったからだ。
工場での仕事は基本的に体を動かすものであろう。気軽に水分の補給ができるよう、福利厚生の一環として値段を安く設定していることは想像に難くない。
ありがたいのは、それを社内のみに限らず、公道に面して設置することで一般にも開放してくれているところである。
また120円までとはいかなくとも、工業地帯の自販機はポカリが130~140円であることが多く、住宅地や商業地よりも平均値が低い傾向にある。ふと工業地帯に通りかかった際に喉の渇きを感じたら、自販機を探してみると良いだろう。
わざわざ工業地帯まで行くのは面倒だという人は、町中にある工務店や建設会社に設置されている自販機もまた安めの設定が多いので狙い目だ。
やさしさ感じるポカリの値段
今回、自販機ポカリの値段を調べてみて、改めて自販機における値段設定の多様さと傾向を知ることができた。全平均値も約140円と思っていたより安く、町中には駅よりもお得な自販機が数多く存在していることに気付かされた。
熱中症対策に最適なポカリを割安で提供してくれている自販機はありがたい存在だ。そこはかとないやさしさを感じるというか、情を感じるというか。ポカリが安い自販機は大事にしたいものである。