メディアビジネスにおいて「収益源の多様化」が謳われて久しい。広告収益からサブスクリプションまで実際に手段は多様化しているが、各手段は別個に運用され、効率化や最適化の点からは「手間がかかる」感は拭えない。一方で、オーディエンスとのエンゲージメント構築からファーストパーティデータ活用まで、取り組むべき課題は多い。
そんなパブリッシャーを支援すべく、精力的にプロダクト開発を進めているのがFLUXだ。ヘッダービディングソリューションのリーディングカンパニーとして知られる同社だが、プロダクト開発部門のグループマネージャーである岡上峻平氏は、「パブリッシャーのニーズに応える多彩なプロダクトを組み合わせ、広告収益からユーザーエンゲージメントの最大化まで、メディアの収益力向上に取り組もうとしている」と語る。
実際、パブリッシャー向けの支援サービスとしてFLUXが提供する「AutoStream」には、ヘッダービディングからブランドセーフティまで幅広いプロダクトが含まれており、さらに現在開発中の「FLUX Targeting」を組み合わせることで、パブリッシャーのユーザー獲得からマネタイズ、エンゲージメント向上までのエコシステムを横串でサポートする体制が整うという。
岡上氏は、3月17日に開催されたDIGIDAY PUBLISHING SUMMIT 2022に登壇。ノーコードからさらに押し進めたノーオペレーションのソリューションを提供するFLUXのプロダクト群、それらから生まれる相乗効果とパブリッシャーの収益に与えるインパクトについて語った。
多彩なプロダクトが実現するトータルサポート
FLUXのパブリッシャー支援サービスとして知られるAutoStreamは、企業のデジタル売上を最大化するワンストップソリューションとして、ユーザー獲得の最適化からエンゲージメント構築、マネタイズまで幅広くサポートしている。
「創業当初から提供していたヘッダービディングソリューションをはじめ、Google Ad Managerや共通IDをラッピングするID Managerのソリューション、GeoEdgeとのパートナーシップによってブランドセーフティツールも提供している」とし、岡上氏は続ける。「2021年には新たに『FLUX Studio』『FLUX Layout』『FLUX LTV』というプロダクトも増え、サポート体制はますます拡充しつつある。さらに現在開発しているのが、ユーザーのエンゲージメントを向上させ、パブリッシャーの資産として活用するためのプロダクト『FLUX Targeting』だ」。
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では、FLUX Targetingとはどのようなプロダクトなのか。岡上氏は、サードパーティCookieの終焉を見据え、従来のユーザートラッキングができなくなるなかでベンダー・広告主側に任せていたターゲティングをパブリッシャー自身が作り、ファーストパーティデータを最大限活用するものだと話す。
「ユーザーアクセスごとのページタイトルやURLパスの分析、スクロールの深さや速さ、滞在時間といったインプットをスコアリングし、ユーザーのエンゲージメントを計測・スコアリングすることができる。デバイスやIPアドレスの計測によってユーザーの環境を推測することも可能で、言うなればユーザーコミュニケーションを最適化するプロダクトがFLUX Targetingだ」。
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エンゲージメントを収益最大化につなぐ
FLUX TargetingはAutoStreamと組み合わせることで、広告収益からユーザーエンゲージメントの最大化まで、メディアの収益力向上を一気通貫に実現することができるという。ポイントとなるのは、先述した各データソースから導き出されたエンゲージメントスコアによるユーザーのセグメンテーションだ。
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岡上氏によると、FLUX Targetingによってスコアに応じてロイヤルユーザーからワンタイムユーザーまで、大きく4つに分類することができるという。「ロイヤルユーザーにはサブスクの誘導モーダルを出し、エンゲージメントが低いユーザーには広告枠を増枠することで1度のアクセスから獲得できる収益を最大化する、という形で最適なアプローチが実現できる。今はスコアが低いが将来は上位になると見込まれるユーザーにはレコメンドを訴求し、内部回遊・エンゲージメントを高めていくこともできる」。
ユーザーのライフタイムバリューを考慮した施策について、実は実施できているパブリッシャーは少ない。広告のマネタイズ部門とコンテンツの作成部門が異なるケースが多く、追っているKPIが分断されているため、両方を考慮した施策を実施する体制が構築しにくいのだ。さらに、どちらも考慮した仕組み・プロダクトを創るには開発工数が必要で、自社で開発するのは非現実的である。
FLUX Targetingによるエンゲージメントの分析・管理を、実際に収益化へとつなげるのがFLUX LayoutとFLUX LTVだ。FLUX Layoutは記事への広告挿入を自動化するプロダクトで、前述のFLUX Targetingのコアシステムを通じて、エンゲージメントを計算し、広告枠の距離や数、サイズを最適化していく。ひとつのJSを実装することで設定変更や分析も簡単に実行できることが魅力だ。
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FLUX LTVもまた、エンゲージメントに応じて、広告・ログイン/サブスクリプション・レコメンドを最適化するプロダクトとなっている。FLUX LTVのなかには、Web Push通知機能も含まれており、サイトを回遊しているユーザーへのアプローチだけではなく、過去にサイトを訪れたユーザーへ流入を促す、リテンション最適化のアプローチも可能になる。
FLUXが目指すエコシステムの形
岡上氏は、FLUX Targetingによって同社のクライアント間での広告収益の循環を図りたいと語る。実はFLUX TargetingはECサイト向けに、商品LPやカートボタン、カート落ちのユーザーをトラッキングしてリータゲティング広告のセグメントを最適化していくソリューションも提供しているのだ。「ECサイト向けセグメーンテーションとパブリッシャー向けのセグメンテーションのふたつをFLUX Targetingという同じロジックの上で行うことで、プレミアムなPMPネットワークを作ることを目指していく」。
「なによりも、パブリッシャーの広告収益を伸ばすことは重要だが、FLUXはサードパーティCookie終焉以降も収益が維持、あるいは伸長する状態を提供したいと考えている。ユーザーのエンゲージメントを活用し、パブリッシャーの資産を増加・最大化させるプロダクトを提供していきたい」。
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Written by DIGIDAY Brand STUDIO
Photo by 渡部幸和