いいスマホやPCが安く買える時代は過去のものになりそう

GIZMODO

インフレ一直線!

どんどんとものの値段が上がっていることに、いやがおうでも気づかされる毎日です。車に乗っても、スーパーへ行っても、外食をしても、コンビニへ立ち寄っても。そして、当然ながら、このIT業界へも着実に押し寄せてきてます。

このほど米国では、労働省が発表した3月の消費者物価指数について、前年同月比で8.5%の上昇という、過去40年で最大の伸び率を記録したことが衝撃を与えています。ただし、実際に最新のスマートフォンやPCなどが値上げに直面するのは、まだこれから。

というのも、いまの物価上昇は、すでに昨年くらいから如実になっていたトレンドが、目に見える形ででてきただけ。チップ製造会社のTSMCがチップの価格最大で2割増しにすることを明らかにし、他メーカーも追随していました。それが徐々に販売価格の上昇として表われてきています。

これからがほんとうの地獄

すでに昨年の時点で、Counterpoint Researchは、世界で販売されたスマートフォンの平均販売価格が、前年の287ドル(約3万6330円)から308ドル(約3万9000円)へとアップし、上昇トレンドになってきたとの兆候を指摘。しかしながら、このすべてはロシアによるウクライナ侵攻以前の話です。

半導体製造にはネオンガスが必須となりますが、全世界の需要のおよそ半分は、ウクライナの大手メーカーから供給されてきました。が、ロシアによる侵攻で操業停止に。

中国では上海で新型コロナウイルス感染症の流行が止まらずロックダウンが続いており、これまたスマートフォンやPCの製造ルートに影響が出てきています。おまけに、日本は未曽有の円安になっていますよね。ということは…?

実はIT業界で、インフレはメーカーに恩恵をもたらしている側面もあります。Canalysが発表した調査レポートでは、今年第1四半期(1~3月期)の世界のPC出荷台数は、過去2年間で初めて減少に転じ、前年同期比で3%減を記録。ところが、売上高ベースで見ると前年同期比で15%も増加したと発表されています。メーカーが作る製品の台数は減っても、製品単価が上がっているので、業績は上向きということになるのでしょうか。

現在のトレンドだと、たとえばスマホメーカーは低価格モデルから手を引き、より利益率の高いハイエンドなモデルに注力するため、結局は全体的に値上げになるという傾向まで強まっているんだとか。

なかなかのスペックのモデルが、驚きの低価格で手に入ったなんて、もう過去の古き良き時代のストーリーになるのかもしれません。少なくとも今年、新たに発売されるスマホもPCも、ほぼまちがいなく値上げ、値上げの嵐でしょう。

Source: Counterpoint ResearchCanalys

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