【うまい】広島の春牡蠣がマジで半端なかった / 「冬が旬」なイメージを秒で粉砕する、春牡蠣の圧倒的ウマさ

ロケットニュース24

牡蠣と言えば冬! そういうイメージは、世間的にわりとあると思う。筆者もその認識のまま生きていくつもりでいたら、広島県観光連盟が異を唱えてきた。

彼らによると、冬の牡蠣も良いが、春の牡蠣こそが最高に美味いらしい。

でも冬の牡蠣で十分すぎるほど美味しいじゃないですか? 春の牡蠣とかよくわからないですけど、言うほどです?(笑) とナメた態度でいたら、プレスツアーで広島に連れてこられてしまった。

・はしご牡蠣

というわけで、ここは広島県の中心地。原爆ドームの前だ。あまりに突然すぎる流れだが、これから はしご酒 ならぬ はしご牡蠣をして、広島の春牡蠣のスゴさをわからせるという。


いや、はしご牡蠣って、広島民のノリやべぇなオイ。東京で生活する筆者的には、牡蠣といえばブルジョアなフード。居酒屋をはしご酒する気軽さで牡蠣を食べ歩くようなイージーさは無い。

たしかに広島県産の牡蠣は有名だが、そんなに牡蠣と関係深い土地柄なのだろうか? と思ったが、農水省によると広島は牡蠣の生産量が日本一とのこと。

しかも2位の宮城県が18200トンなのに対し、広島県は96000トンと5倍以上の差をつけてぶっちぎっている(令和2年)。日本の牡蠣の6割は広島県出身だ。マジで牡蠣にガチりまくってるじゃねぇか……!


・原爆ドームから徒歩すぐ

それにしても、ここは原爆ドーム前。日本人の半分くらいは修学旅行か何かで訪れていそうだし、広島に観光に来たら100%立ち寄るだろう。

それなりに知られている場所だと考えて説明を省くが、周辺に牡蠣を食えるような店など見当たらない。中規模なオフィスビルばかりでは? ここから車で移動するのだろうか?

と思っていたら、すぐそばの路地に入って歩くこと5分ほど。連れてこられたのは「広島かき酒場 MOMIJI」というお店。


申し訳ないが、ぱっと見で「オトナな遊びのための夜のお店」が入ってるビルかと思ったぜ!


入り口横の壁を見ると、牡蠣推しの圧がすごい。


店内には有名人によるものと思しきサイン色紙が。ちょうど昼時だったが、スーツを着たサラリーマンなどの出入りも頻繁だった。近隣では定番の店なのかもしれない。


そこで出てきたのが「カキフライ定食(税込み900円)」。


さて、その辺の定食チェーンでありがちなカキフライ定食と言えば、900円くらいで、ミニトマト1.5個分くらいの小さく丸っこいカキフライが4個か5個ほど金網に乗って出てくるような感じ。

この店の「カキフライ定食」も値段はよくある感じだが……


_人人人人人人人人人人人人人_
> 牡蠣が二回りはデケぇ! <
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そして「牡蠣天ラー油蕎麦(税込み900円)」。ヒュー、さつま芋の天ぷら並なサイズの牡蠣の天ぷら……そういうのもあるのか !!


さすが生産量日本一である県のお膝元。これはたしかに立派ですわ。そう感心していたら登場したのが、「焼牡蠣(税込み450円)」。


値段も立派だが、サイズも立派だ。この牡蠣は、呉の「かき小町」というブランド牡蠣の3年モノだとか。バンパー付きでゴツい筆者のスマホと比べるとこんな感じ。


上から見ただけでは気付かなかったが、身がミチミチッとしていてヤバい。焼かれていくらか縮んだはずなのに、箸から伝わるこの重さと密度よ


すでに圧倒されているが、食べると期待以上の展開が待っていた。焼かれてほどよく身が締まった牡蠣のボディ。それが歯で切り裂かれるまでにかかるハッピーな時間が人生最長

厚みが圧倒的なのだ。そして凄まじい旨味が爆発する。あと、ほのかに甘い気がする。牡蠣ってこんなんだっけ? これを主食にしたい。

満足度と幸福感で脳がどうにかなりそうだ。お酒のメニューも充実しているようだし、この牡蠣で100杯くらい飲みたいなぁ。


お店によると、牡蠣が最もウマくなるのは産卵直前の3月から4月にかけてらしい。一般的に冬が旬だとされるのは、夏の産卵に向け牡蠣が栄養を溜め始めるから……というのはなんとなく知っていた。

しかしなるほど。春牡蠣は冬を超えてまだ肥え続け、夏にいざ産卵というギリギリのタイミングというわけか。牡蠣には少し悪い気もするが、己がウマすぎることを人類に知られたのが運の尽きよ。


・はしご

いやはや、春牡蠣のウマさは思っていた以上。完全にわからされてしまった。春に広島を観光するなら、牡蠣を食わない手は無い。

広島県観光連盟さん有難うございました。牡蠣は冬だけでなく、春も美味いということで。それじゃあ僕、東京に帰りますね。


……えっ、まだ終わっていない? これから牡蠣をはしごする……だと?


そういえば冒頭で「はしご牡蠣」がどうとか言っていた。広島民のヨタ話だと思っていたが、連盟はマジだ

そして連れてこられたのは、最初にいた原爆ドームの真横。「おりづるタワー」の1階にある「握手カフェ」。


ちなみに先ほどまでいた「広島かき酒場 MOMIJI」は、この右手の道を120メートルほど直進したところにある。

こちらではどんな牡蠣が出てくるのかと見ていると……おっ?


生牡蠣来たァァアアアアアア!!


「大崎上島ファームスズキ産生牡蠣『ストライプオイスター』5Pieces レモン付き」というらしい。お値段はテイクアウトで税抜き1727円。イートインだと税抜き1900円。

先ほどの牡蠣よりも小ぶりだが、一般的には普通のサイズだ。見るからにフレッシュ感がヤバい。こんなの絶対ウマいだろ。チュルッとしていて、もはや飲み物。秒で消えた。


加熱されたデカい牡蠣も良かったが、ほど良いサイズの生牡蠣もたまらねぇ! あと、やはりほのかに甘味がある気がする。牡蠣に特有のクセが控えめで、とにかく肥えて旨味が詰まったカタマリ的な感じだ。

ちなみに、こちらではフィッシュ&チップスの牡蠣版的なモノもあるもよう。倉橋島の牡蠣と安芸津産のじゃがいもを使った「広島牡蠣フライ&ナマチ」。


テイクアウトで税抜き618円。イートインだと税抜き680円と、お手頃な価格。容器も凝っていて面白い。こいつを買って、食べながら平和記念公園を散策するなどしても良さそう。広島は思っていたより隙が無い。


・ビール

焼き牡蠣、天ぷら、カキフライ、そして生。さすがにネタは出尽くしたろう。じゃあ今度こそ東京に……と思ったら、まだ行くらしい

そのまま原爆ドーム周辺の公園エリア沿いに元安橋まで進み、左折して直進。広島本通商店街へ

やってきたのは「CRAFT BEER と炭火 はればれ」さきほどの「握手カフェ」から徒歩3分程度だ。


なるほどね。まだ中に入っていないが、もうわかってしまった。だって「BEER」って書いてあるし。ははぁ、これはこれは。

中には期待通りに沢山のビールのメニューが。


実は同じ建物の中に「HIROSHIMA NEIGHBORLY BREWING(HNB)」という醸造所があり、「はればれ」は併設のお店ということらしい。


店内ではもちろんグラスで飲めるが、瓶でも販売しているもよう。県外でも、例えば東京のアンテナショップ等で買えるとか。中には牡蠣を使ったビールも。


そして「牡蠣のお出汁クリーム煮(税込み968円)」


牡蠣のアヒージョ(税込み847円、パンもついてくる)」


牡蠣のオイル漬け(税込み550円)」


全部うめぇぇぇえええええ!! ビールも入って完全に仕上がっている。牡蠣は出尽くしたと思っていたが、ラストは酒によくあうスタイルに調理された牡蠣とは。パーフェクトなコンボだ。

広島最大の観光スポットとして間違いない原爆ドームから、徒歩数分圏内だけでここまで春牡蠣をエンジョイできるのも強いと思う。

なお、「でも今回の目的地は広島市じゃなく別のエリアだしぃ~」的な方も安心してほしい。言うまでもないが、広島県では他の市でも多くの店で牡蠣が提供されているぞ。

それにしても美味かった。冬の広島で牡蠣を食べまくるのはよくあるプランだと思うが、春は原爆ドームとお好み焼きしかないと思っていたぜ。春牡蠣のウマさはガチだ

参考リンク:牡蠣食う研おりづるタワー農林水産省
執筆&撮影:江川資具
Photo:RocketNews24.

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