テキサス州だけでも日本の国土の1.8倍あるのに、米本土の半分が干ばつって広すぎて想像もつきません…。
米海洋大気局(NOAA)によると、アメリカの西半分で2013年以来の深刻な干ばつになる可能性があるそうです。ここテキサスは今でも干ばつのおかげで山火事が収まりません。
西から東へ広がる干ばつ
こうなる予兆はあったんです。NOAA(米海洋大気庁)の話では、この冬は128年間の観測史上で12番目に乾燥していたとのこと。乾燥すると山間部でそんなに雪が積もらないため、川や湖に流れ込む春の雪解け水も少なくなります。そうなると、夏の農業用水や生活用水に影響が出てしまうんです。
これまで干ばつというとカリフォルニア州が中心だったんですけど、今回はたまにしか深刻な干ばつに見舞われることがないアリゾナやニューメキシコなどの米西部全体や、南西部にあたるテキサスも被害を免れないだろうと報じられています。
米西部にとって、干ばつはここ数年特に頭痛のタネでしかありませんでした。2020年の夏以降はその深刻度が増すばかりで、ついには西部に留まらず米南部のミシシッピ峡谷下流にまで広がりを見せています。
深刻化する水不足
過去1200年で最悪といわれる干ばつが長引いているせいで、貯水湖は底をついているそう。ユタ州とアリゾナ州にまたがって作られたパウエル湖は、アメリカで2番目に大きな貯水湖で、複数の州にまたがって4000万人の水がめになっていますが、干ばつの影響で4月2日現在の水面標高は1073メートルしかなく、昨夏に最低記録を更新してからさらに水位が約10メートルも下がっています。
ロサンゼルスタイムズ紙によると、カリフォルニア州当局は住民に対して水の使用量を自主的に15%くらい減らすよう呼びかけているそうですよ。もしかすると干ばつが深刻化している他の州でも同じようなことが起こるかもですね。
日本国土の2.4倍にあたるエリアで農作物に影響
米干ばつモニターによると、2022年3月23日から29日にかけて、日本の国土面積の約2.4倍にあたる2億2330万エーカー(90万4000平方キロ)で農作物が干ばつに見舞われているとのこと。干ばつの影響を受けている地域には、約1億600万人が生活しています。全人口の約3分の1が干ばつに見舞われていることになりますね。ここからまだ悪化するなんて…。
アメリカは国土が広いので乾燥しやすい地域もありますけど、人為的な気候変動によって干ばつが起こりやすく、起こると長期化するようになっているんですよね。気候変動の影響で雨や雪の降る量や時期がどんどんおかしくなれば、より多くの人たちや産業が広範囲にわたる干ばつに悩まされることになるでしょう。なんとかして早く気候変動を止めないといけません。
Reference: Bureau of Reclamation(米土地改良局), National Integrated Drought Information System(米統合干ばつ情報システム)