露の平和交渉打ち切りは逆ギレ – 佐藤正久

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今朝の関係部会合同会議において、ウクライナ情勢について議論した。

ロシア側から日ロ平和条約交渉の打ち切りが通告された。岸田総理はこれに対して国会で「これは極めて不当であり、断じて受け入れることができない。逆に日本国として強く抗議をするところであります」と発言。外交部会長の佐藤も同じ思いだが、そもそも一方的に侵略を始めたのはロシアである。明確な国際法違反、かつウクライナ各地で戦争犯罪に手を染めているロシアに対して日本が制裁を課したまでで、そのことに「逆ギレ」して交渉を打ち切ってくるのだから、日本は随分とナメられたものだと思う。よって、日本の方から戦争犯罪を犯しているプーチン政権とは交渉できないと言っても良かったと思う。

日本はG7のアジア代表として、欧州との架け橋になることを期待されていると思う。穴になっているロシア上空飛行についても、日本が主導して欧州との連携し、飛行禁止を実現すべきである。それがアジアで危機が起きたときに欧州へ支援を要請する基礎となる。出席議員からは、経済的合理性を考えれば日本にとって益のない飛行禁止をわざわざ打ち出す必要はない、との意見がある。短期的には、飛行時間が延び、物流が滞ると想定される。また飛行を再開する際には、日本からロシアにお願いすることになるため、二国間外交が不利になるというものだ。

しかし、いま日本に求められているのは目先の損得よりも中長期的な国益を見据えて欧州との連帯を取ることだ。実際に欧州の国でも、ウクライナへの連帯を示すために政策転換した永世中立国・スイスの例がある。また、EU諸国の中にはロシアとの関係で元々航空機の空路には一切関係なかったものの、敢えて歩調を合わせた国もある。佐藤が岸田総理から官邸に呼ばれて話したときにも、物流がウクライナとの連帯を脇に置く理由にはならない、と総理は明確に述べた。

バイデン大統領がプーチン大統領を戦争犯罪者と名指ししたことから、今後はロシアの戦争犯罪も大きな議論となるだろう。実際に今朝の部会でも戦争犯罪についての発言があった。侵略国と非侵略国を目の前にして、日本に中立や曖昧な態度での傍観はあり得ない。日本はG7のアジア代表として、積極的にアジアと欧州との架け橋として汗をかかねばならない。

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