いきなりだが、アマゾンでポータブルなバスタブを買った。つまり「持ち運び可能な浴槽」である。とても軽くて組み立てが簡単なうえに足が伸ばせるほど広いらしい。浴槽がない家でも “お湯に浸かる至福のバスタイム” を楽しめるのだとか。
購入の決め手となったのは「キャンプで極上のお風呂を体験してみてはいかがでしょうか」なる売り文句。Amazon評価は1.5……だが、レビュー数が2件なので信頼度は未知数と言える。果たしてどうなのだろうか。とりあえず会社に持ち運んで、ひと風呂浴びることにした。
・ダンボールのまま
仕事中の眠気を吹き飛ばすために、職場の片隅にお風呂を設置してみてはどうだろうか。わざとらしく上司に確認して「それはとても素晴らしいアイデアですね」と褒めてもらうのはカッコ悪い気がしたので、あえて誰にも言わずに勝手にセッティングすることにした。
休日にダンボールをこっそり会社に運んで……
いざ開封の儀!
中身はバスタブ本体とポールの束、他はよくわからない。組立品なのに説明書が入っていないとは……ちなみに商品ページには「空気を入れる必要はありません。ブラケットをかざすだけで簡単で素早い取り付け」と書いてあった。意味はわからない。謎は深まるばかり。
仕方ないので商品ページの画像を見ながら、パズルのように完成を目指していく。「空気は入れない」とのことだったので……まずは本体にポールをさして浴槽を自立させよう。ただ、レビューには「水をためたらポールが折れた」とあった。マジかよおい。
つづいて、細いポールを連結させて浴槽のフチをグルリと一周させる。だんだん浴槽っぽくなってきたぞ。
そんなこんなで……
スニーカータイプのオシャレ過ぎる浴槽が完成した。このくらいのサイズ感なら職場はもちろん、ベランダやキャンプ場でも使えるだろう。設営に少しだけ苦労したが、浴槽自体に問題は見当たらない。収納袋には「折りたたみ式浴槽、最高品質の生活」と記されていた。
さっそくお湯……がなかったので、水をためる。んで、これから購入する方へアドバイスを1つ。ホースを用意しておくこと。なければバケツ。残念ながら職場にはどちらもなかったので、鍋を使って往復を繰り返した。
また、理想としては「肩まで浸かる量の水」を入れたかったが……万が一職場にぶちまけてしまったら、上司に褒められるどころか、全員にブチギレられる恐れがあるため、今回は下半身が浸かれるくらいの水量にとどめておいた。
それでもポールが折れたら大惨事である。もしくは風呂に入る際にミスって浴槽を倒したら大洪水が起きるだろう。最悪の場合、オフィスが風呂になるかも。という不安を抱きながら服を脱ぎ……
アアアア
冷てぇぇぇ。
けど、驚きの開放感である。非日常を求めて自然豊かな温泉地に行くのが流行っているかもしれないが、より気楽に非日常のひと時を味わいたいなら「職場に忍び込んで風呂に入る」のもアリ……かもしれない。これぞまさに職場と風呂が一体化したインフィニティバスだ。
冷たさに慣れて体がポカポカ温まってきた。トップカバー(商品ページの写真よりもだいぶペラペラだった)を付けたら長時間温度を維持できるらしい。水風呂で試しても意味はないが、なんとなく付けてみた。半身浴でじわじわ汗をかきたい時に良さそう。雑誌も読めるぞ。
ちなみに価格は4860円。決して悪くはない……と思う。説明書がないので設営が少し大変だったが、そこまでヒドイ商品ではない。ベランダやシャワールームで使う分には問題ないだろう。私の評価は3。会社に置いてきたので、みんなで仲良く使いたい。
参考リンク:Amazon「折りたたみ浴槽」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼驚くほどの開放感を味わいました