ゼレンスキー大統領が米連邦議会でオンラインでの演説を行いました。「ロシアはわれわれの国や人々だけでなく、自由に生きる権利を攻撃している」と述べて、ウクライナに対するさらなる軍事的な支援を求めました。
演説自体は心を動かすものでしたが、真珠湾攻撃や2001年9月11日の同時多発テロを引き合いに出し、これらを同列に扱うことに日本では失望の声が上がりました。
演説では、「米国は歴史を思い出すべきだ」「真珠湾を思い出してほしい」「1941年12月7日の朝、米国の空はあなた方を攻撃した戦闘機で黒くなった」と述べました。そして、「9月11日を思い出すべきだ」と続けました。
せっかくの日本での支援の機運に水を差しました。
日本でやるとしても、事前に原稿ぐらい見せてもらったほうがいいのではという指摘があります。
ゼレンスキーの連邦議会演説は、真珠湾と9・11を同列に論じている。真珠湾攻撃は軍事的な作戦であり、9・11のように民間人をねらったテロではない。日本でやるなら、原稿ぐらい見せてもらったほうがいいんじゃないの。 https://t.co/o2Nx5tjNF6
— 池田信夫 (@ikedanob) March 16, 2022
また、日本軍が民間人を狙って空爆したように言ったことは、日本政府は抗議をすべきだという指摘も。
露行動を最初に日本の真珠湾攻撃、次に911になぞらえた。日本が市民を空爆したと。この人に国会で演説させるのか。東京新聞以外は真珠湾攻撃のくだりを削除して報道だし
RTゼレンスキー大統領 「飛行禁止区域」の設定要求 米連邦議会でオンライン演説:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/Hgci9utSSB
— 苫米地英人 (@DrTomabechi) March 16, 2022
違和感を示す気持ちは分かるが、戦いの真っ最中なのだからと理解を示す声も。
ゼレンスキー大統領が米議会でのTV演説で真珠湾攻撃に触れたことに違和感を示す人が続々。気持ちは分かるが、相手は今生きるか死ぬかの戦いの真っ最中。それに拘れば西側の結束を乱す元となり、ロシア側は必ずこの点を突いてくる。ここはぐっとこらえて同大統領支持の一手と思うがどうか?
— 加藤清隆(文化人放送局MC) (@jda1BekUDve1ccx) March 17, 2022
他の外交問題と同じく、黙っていても相手がわかってくれるという幻想は、そろそろ捨てたほうがいいかもしれません。
真珠湾攻撃についても、日米で歴史事実の検証を進める必要がありますね。ホノルルの真珠湾戦争展示館は、日米が開戦に至る経緯を比較的公平に扱っており、私は長年ここにマッカーサー証言を展示してもらえるよう働きかけ、現場サイドでは前向きな姿勢になっています。引き続き取り組んでいきます。 https://t.co/1kVGnr0DPe
— 山田宏 自民党参議院議員(全国比例) (@yamazogaikuzo) March 17, 2022
ちがう文脈ですが、歴史の必要性についての是非が話題になっています。
政治指導者から大学入試まで、歴史過剰や歴史オタはろくな結果をもたらさない。歴史は確かに大切だが、暇な時に数時間通史を読めば済む話。プーチンさんは歴史を曲解しすぎてああなっちゃったし、大学受験生は試験対策でゴミ知識を頭に入れる。そんなことより大切なことは世の中にたくさんある。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) March 12, 2022