株式会社パーソル総合研究所は3月1日、「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」の結果を公表した。2月4日~2月7日に行なった今回の調査では、正社員のテレワーク率は28.5%となっており、2021年7月30日~8月1日の前回調査の27.5%からは1.0ポイントの微増にとどまっている。
この調査は不定期で行われており、2020年3月の第1回調査ではテレワーク率が13.2%だったのが、2020年4月の第2回調査で27.9%に急増。その後、2割台の後半で横ばいで推移している。
一方、今回の第6回調査では、テレワークを実施している正社員のうち80.2%が今後もテレワークを続けたいと回答。2020年4月の第2回調査で53.2%、2020年5月の第3回調査で69.4%、2020年11月の第4回調査、2021年7月~8月の第5回調査でともに78.6%となっていたが、今回、調査開始以来初めて80%を超えた。
調査対象は、全国の20~59歳の就業者(勤務先の従業員が10人以上)。雇用形態別では、正規雇用(正社員)が2万490人、非正規雇用が4725人、公務員・団体職員が289人。
テレワーク頻度「毎日」は9.5%、全体平均は1週間に「0.99回」
直近3カ月(2021年12月~2022年2月)におけるテレワーク頻度(週平均のテレワーク回数)は、2021年12月が0.87回、2022年1月が0.92回、2月が0.99回で増加傾向。直近の2022年2月のテレワーク頻度の内訳は「実施していない」が66.3%、「1週間に1日程度」が9.2%、「1週間に2~3日程度」が10.0%、「1週間に4日程度」が4.9%、「毎日(出社なし)」が9.5%だった。
企業規模別のテレワーク実施率(正社員ベース)は、従業員10~100人未満で15.4%、100~1000人未満で26.1%、1000人~1万人未満で39.9%、1万人以上で46.9%となっており、規模の大きい事業者ほどテレワーク率が高い。
テレワークを命令されている正社員は5.2%、推奨は33.4%
テレワーク率が高い職種は、「Webクリエイティブ職(Webデザイナー、プランナーなど)」の76.9%、「IT系技術職」の65.5%、「企画・マーケティング」の61.4%、「経営企画」の54.9%、「広報・宣伝・編集」の54.2%など。
企業のテレワーク方針(正社員ベース)は、半数以上の57.4%が「特に案内がない」とされている。そのほかは「テレワーク(在宅勤務)が推奨されている」が33.4%、「テレワーク(在宅勤務)が命じられている」が5.2%で、命令・推奨を合わせると38.6%の企業が正社員にテレワークを行うように促していることになる。
テレワーク実施者におけるテレワーク継続希望率(正社員ベース)は、「続けたい」が57.4%、「やや続けたい」が22.8%、「どちらとも言えない」が13.1%、「あまり続けたくない」が4.4%、「続けたくない」が2.3%だった。「続けたい」「やや続けたい」を合わせると、テレワークを続けたい人は80.2%に上った。
テレワーク関連の施策、サービス/ツールの導入は多いが……
正社員のテレワーカー430人における「テレワーク関連の施策実施率」としては、「遠隔会議システムの導入・利用促進」が35.3%、「ビジネスチャットツールの導入・利用促進」が27.9%、「退勤・出勤労務管理のITツール導入・利用促進」が21.9%、「上司との定期面談の機会の増加」が20.9%などが上位に。テレワーク向けのサービスやツールの導入は多いが、働き方の工夫やコミュニケーションを促す施策は少ない。