ウクライナに対するロシアの侵攻が続いている。当初はロシアの圧倒的軍事力によるウクライナの早期制圧が危惧されたが、ウクライナの効果的な徹底抗戦によって戦況は一進一退となっている。その一つの要因にSNSなどを巧みに駆使した情報戦略が挙げられるが、ジャーナリストの青山和弘氏が、ゼレンスキー大統領をSNS情報戦略で支えるキーマンの存在を指摘。その一方では「日本の政治家は…」と苦笑いを浮かべる一幕があった。
6日にABEMA『ABEMA的ニュースショー』に出演した青山氏は「“ハイブリット戦争”SNSで飛び交う情報の影響力」をテーマにした議論の中で、ゼレンスキー大統領を支える情報戦略のキーマンの存在について言及。ウクライナ副首相兼デジタル改革大臣であるミハイロ・フェドロフ氏の名前を挙げた。
フェドロフ氏はウクライナ政府の大臣として最年少の31歳。サポリージャ国立大学を卒業後、FacebookやInstagramに特化した広告会社を創業するなど、デジタルや情報に特化した経歴を有している。
同氏について青山氏は「ゼレンスキーさんに関して、自分の周りを自分の知り合いで固めたことについて批判を受けることもあった。大統領が大統領選で勝つための色々な宣伝活動をして、そのまま副首相になった。この人がウクライナのSNS情報を統括していて、非常に機能的にやっている」と説明。さらにロシア侵攻を巡るフェドロフ氏の功績について次のように述べた。
「ロシアがテレビ塔を爆破したりして、ウクライナ国外に情報が出ないようにしようとした。そこで、フェドロフ氏がテスラの社長であるイーロン・マスク氏が所有する衛星の使用を直談判した結果、衛星を使用できる通信機器「スター・リンク」をウクライナに送ったことで、ウクライナから情報発信ができるようになった。この副首相の存在が、今回のSNS情報戦に非常に大きな影響を与えているということは言える」
その話を聞いた千原ジュニアが「日本の政治家にこれだけITに強い政治家はいるのか?」とたずねると、青山氏は「いやぁ…日本の政治家は基本的に政治をやっている人。こういったインターネットのプロ。そもそもプロだった人が政治家になったというケースはない。日本でここまでやる人はいない」と苦笑いを浮かべつつ応じた。