40代母親死亡は医療崩壊の象徴 – 猪野 亨

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 家族3人が新型コロナに感染、自宅療養中に母親が死亡するという痛ましい状況となりました。

東京都内 親子3人全員が感染し自宅療養中 40代母親が死亡」(NHK2021年8月18日)

 持病があったそうですが、以前からコロナに感染すると容体が急変するともいうことは常に言われてきました。症状が軽いから症状が治まるまで自宅待機していればいいというものではありません。
 容体が急変したら、119番による救急搬送でも間に合わないことがあるのが現実であり、しかも119番をしても症状が軽ければ搬送すらしてくれません。
 そうなると、どのような症状になったら119番をしてもよいのか判断に悩むことになります。
 気が小さい人であればあるほど抑制的になってしまいます。手遅れになりがちですが、早めに119番を要請しても搬送拒否でもされたら気が滅入ると思います。

 どの時点で119番するかなんて素人が判断できるものではなく、本来、感染した場合には入院が基本であると言えます。
 それができない状況、そして自宅療養中に死亡したということになれば、医療崩壊という現実を直視する必要はあります。
 今回の母親の死という結果は、医療崩壊の象徴的な出来事と言っても過言ではありません。

これでもなお医療崩壊を認めないんですか。自宅療養での死亡は人ごとでは済まない 菅政権に統治能力なし

 そして、こうした感染爆発を引き起こしたのもまさに東京オリンピック開催したことにも原因があります。
 これだけ感染爆発が続いているのに、東京オリンピックを開催して、たがを緩めてしまったのですから、最悪の選択でした。
 もう緊急事態宣言などを行っても、その含意は実際に届かなければならない人たちには、決して届かないでしょう。一旦、緩めてしまったら、お祭り気分を招くのですからもう制御不能と言っても良い状況です。
 東京オリンピック開催さえなければ、もう少しはましな状態であったことは明らかです。

厚労省統計

2021年8月19日午前8時20分アクセス時点

 だからロックダウン(都市封鎖)?

強まるロックダウン論 感染防止手詰まり―「最後の手段」菅首相は慎重」(時事通信2021年8月10日)

 手詰まり状態に陥っているのは明らかに菅政権が無策だから。ここでの問題はロックダウンが合憲か、法的に可能かどうかではなく、現実に無理というだけのことです。
 実施するなら中国並みのやり方であれば目に見える形で効果は出てくるでしょうが、ロックダウンを主張する専門家たちもそんなことまでは想定していないでしょうし、結局のところ、国民一人一人の協力のもとでしか実効性は確保できませんから、そもそも何のやる気のない菅総理の姿勢がそのまま反映するだけで、現実的な政策にはなり得ません。

 もう総理の職責にだってやる気が感じられない状態ですから、引責辞任が当然の状況です。
 解散総選挙も総裁選のあとにせざるを得なくなったそうですが、それは自身の延命のためにすぎません。

菅首相、総裁選前の解散見送り コロナ感染拡大で困難に」(毎日新聞2021年8月18日)

 菅氏が見ているのは、自身の次の総裁の座を維持することだけ。コロナ感染拡大なんてどうでもいいわけです。

 コロナ感染拡大は菅政権による人災です。

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