あなたは『さくらみくら便利店』なるコンビニエンスストアをご存じだろうか? さくらみくら便利店は「すき家」「はま寿司」「ココス」などを運営するゼンショーホールディングスが手掛けるコンビニで、2022年2月現在、群馬県で4店舗を展開している。
なぜゼンショーがコンビニを? しかも群馬県だけ? ちょっと理解しかねることが多いものの、実際に出かけてみたところ「さくらみくらメッチャいい!」「なんならセブンにも勝てるのでは?」と感じた次第だ。
・群馬県のみ4店舗を展開中
2021年に群馬県でひっそりとオープンし、現在でも群馬県内で4店舗のみを展開する さくらみくら便利店。ホームページによると店名の由来は「桜の花のように地域に根差し笑顔を届ける存在になりたい」とのことから “さくら” が使用されているようだ。“みくら” はよくわからん。
それはさておき、さくらみくら便利店はあくまでコンビニである。なので「雑誌」「生活用品」「食品」「ATM」など、店内の7割くらいはセブンやローソン、ファミマと変わらない。要するに入店してしまえば、基本的には一般的なコンビニであった。
・店内キッチン「みくら食堂」
だがしかし、さくらみくら便利店には大手コンビニには無い圧倒的な武器が存在した。それが店内に併設されたキッチン「みくら食堂」だ。ズバリ、この「みくら食堂」こそセブンに勝てる可能性を秘めた『さくらみくら便利店』の最強にしてたった1つのウェポンである。
「みくら食堂」には弁当、カレー、ラーメン、パスタ、丼……などなど、一通りのメニューが揃っており、どれも注文してから調理が始まる。イートインスペースも併設されているので、全てのメニューはテイクアウトでも食べて行ってもOKだ。
今回は1番人気だという「みくら唐揚げ弁当」と、季節のイチオシだった「コク旨! ホルモン味噌ラーメン」を食べてみることに。価格はそれぞれ、470円と550円である。またその他にもスナック系の「カレーパン(148円)」「チュロ(105円)」「マリトッツォ / ナッツ & ストロベリー(290円)」などもオーダーした。
で、「みくら唐揚げ弁当」は普通にウマい。「感動するほどのウマさ!」とまでは言わないが、やはり揚げたてサクサク食感の唐揚げは、出来合いの弁当とは雲泥の差がある。詰めたての米もふっくらしており、言うなれば完全に弁当屋の弁当だ。
お次の「コク旨! ホルモン味噌ラーメン」に関しては「めちゃめちゃウマい」と申し上げていいだろう。旨味とパンチ力を兼ね備えたスープは、一口すすった瞬間に思わずニヤけるほどのウマさ。プリプリのホルモンも多めに入っており、中毒性が高めのラーメンである。
正直、そこまで期待はしていなかったものの「みくら唐揚げ弁当」は順当なウマさで、「コク旨! ホルモン味噌ラーメン」は予測を軽く超えてきた。その他の「カレーパン」や「チュロ」のザクザク食感も、揚げたてならではの強みを感じた次第だ。
・群馬のセイコーマートになれる
「みくら唐揚げ弁当」に関しては「普通にウマい」と申し上げたが、それでも出来立てのアドバンテージは絶大なので「大手コンビニの唐揚げ弁当」よりは確実にウマいと断言できる。店内キッチン「みくら食堂」に対抗するためには、それこそ大手コンビニが同じことをしなければならないことだろう。
これは北海道のコンビニ王者・セイコーマートの「ホットシェフ」と同じシステムなのだが、道内でセイコーマートが圧倒的な支持を受けていることを考えると『さくらみくら便利店』も強力なコンビニになるのではないだろうか?
また、店内では地元・群馬の食材や商品を展開していたことからも「この地で末永くやっていく」という強い意志を感じた。全国展開うんぬんはさておき、さくらみくらの近所にあるコンビニは苦戦を強いられるハズで、少なくとも群馬県内ではセブンにさえ勝てるポテンシャルを秘めているハズだ。だって、弁当が出来立てなんだもん。
というわけで、さくらみくら便利店は非常に優秀なコンビニなので、群馬県民のみなさんはもとより、群馬にお立ち寄りの際はぜひ利用してみて欲しい。地域密着型コンビニ、さくらみくら便利店──。とても良かったんだけど、やはり最後まで “みくら” だけがわからなかった。