今年38歳。初バタークリーム作りにも挑みます
バタークリームのデコレーションケーキというのをご存知でしょうか?私の年代より上の方ならばクリスマスなどに食べた事があると思います。ある頃から生クリームのケーキに変わり、今では全くというぐらい見かけなくなりました。
このバタークリームのケーキですが、食べた事がある人に話を聞くと、結構多くの人が残念な味だったというのです。しかし、独特の食感と風味が好きだったという人もいる。
いったいどんな味だったのだろうか。今でも売っている店を探し出して食べてみました。そして、自分でも作ってみました。
※2010年2月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
食べた記憶が無い
私は子供の頃、ケーキがそれほど好きではなかったのでバタークリームのケーキを食べた記憶がありません。どうやら今から30年ぐらい前には生クリームのケーキが普通に出回るようになり、バタークリームのケーキはあまり置かれなくなったようです。
恐らく、冷凍などの保存技術がまだ発達してなかった頃。クリスマスなど大量需要がある際に保存性の良いバタークリームが重宝されたのではないでしょうか。
けれども、保存性が良いというだけで残念な味になるとは思えません。単に劣化していたのか。それとも何か他の理由があるのか。まずは現物を食べて確認することにしました。
今でも扱っている店があった
バタークリームのデコレーションケーキを扱っている店を探したところ、いくつか情報が得られました。今でも扱っている店は少ないながらもあるようです。
今回はその中の1つ。東京都府中市にあるジャスマン洋菓子店へ行ってみました。まずは買ってきたケーキを見ていただきましょう。
ジャスマン洋菓子店は創業38年。創業当時からバタークリームケーキを扱っているそうです。
ネットを通しての販売はしていないけれども、何かで知って遠方から買いに来る人も多数いるのだとか。バタークリームケーキには根強いファンがいるようです。
お店の方の話では、バタークリームの作り方に関しては色々あるけれど、状態を維持するのが大変なのだそうです。だから数を作ることが出来ない。予約分を販売するだけでいっぱいということでした。
今回購入するにあたっても電話で予約してから買いにいきました。買いに行く方がいましたら事前予約をお願いします。
では、次のページでバタークリームケーキがどんな味なのか確認していきます。
ジャスマン洋菓子店
東京都府中市白糸台4-16-11
042-365-8565
さあ食べてみよう!
綺麗に包装されたバタークリームケーキを家まで持ち帰り、早速味の確認です。
買ったサイズは一番小さい直径12cmの物。けど、ホールでケーキを買うなんていつ以来だろう?
お店で現物はみていましたが、箱を開けて改めて思う。デコレーションがとても立体的です。
チョコや飴で作られた色々な形のデコレーションはよく見ます。しかし、クリームでこんなに立体的に作られたものは見たことがあっただろうか?
そして、包丁で切り分けると明らかに生クリームとの違いを感じます。かなり硬さがある。生クリームがフワッとまとわり付いてくるのに対し、バタークリームはパキッと割れてくる感じです。
そして、肝心の味。生クリームよりもかなり濃厚で、豊かな風味。しかし、やたらに甘いなどということはありません。最初に砕けていくような食感があって、柔らかく、甘く溶けていきます。
そういえば、遠い昔にこんな食感のクリームを食べた事があるような気もする。とても懐かしい感じです。けど、全くもって残念な感覚はない。非常に美味しい。
バタークリームケーキはとても美味しいです!
なぜ、残念な味だったのだろう?
今回購入したバタークリームケーキは非常に美味しかった。残念な部分は微塵もありません。なぜ、昔食べたことがある人の多くが残念な味だったと言うのでしょうか?
確かに、かなり濃厚な味なので沢山は食べられません。食感も独特です。個人の好みはあると思いますが、その点だけで多くの人が言う程の理由にはならないでしょう。
どうやら違う材料が使われていたらしい
疑問に思って色々調べてみたところ、理由になりそうな記述がありました。昔、一部のバタークリームではバターの変わりにマーガリンのような植物性油脂を使っていたらしいのです。そのため、本当にバターを使った物よりも味が落ちたということでした。本当なのか?
昔はバターは高級品だったと思うので、代わりにマーガリンを使っていたというのも何となくうなずけます。では、マーガリンで作られたバタークリームはどんな味なのだろうか?気になります。
作って確認するしかなかろう。
気になるのですが、マーガリンを使ったバタークリームを売っているところなど今はもう無いでしょう。無いならばどうするか。自分で作るしかありません。ということで、図書館に行って借りてきました。
沢山あったお菓子作りの本の中からバタークリームの作り方が書かれていた物を数冊。少しはお菓子を作ったことはありますが、泡立てたり本格的な物は初めてです。大丈夫か?
けど、分量を正確に測って、温度管理するなんて化学実験みたいなものだ。一応理工系出身。化学の実験だって色々やったさ。勉強したのは機械工学だけど。なんとかなるだろう!
割と簡単に出来るようだ
借りてきた本によると、バタークリームの作り方は以下の手順になります。
1. バターを常温に戻してクリーム状になるまで攪拌する。
2. 卵白を角が立つまで泡立てる。
3. 砂糖を水に入れて煮詰めてシロップを作る。
4. シロップが熱いうちに泡立てた卵白に入れる。
5. 更に泡立ててメレンゲを作る。
6. 攪拌しておいてバターにメレンゲを混ぜる。
もっと簡単に作るやり方もあるようですが、基本はこんな感じのようです。では、作っていきましょう。
最初にバターをクリーム状にします。続いて卵白を角が立つようになるまで泡立てます。
卵白を泡立てながら、水に砂糖を溶かして3、4分煮詰めてシロップを作っておきます。それを熱いうちに角が立つほど泡立てた卵白へ少しずつ加える。
加えながら更に泡立ててしっかりとしたメレンゲにします。出来上がったメレンゲを2度ぐらいに分けてクリーム状にしておいたバターへ投入。
泡立てが足りなかったり、シロップの温度が下がりすぎていたりすると分離して失敗するそうです。
ここからは手持ちの泡だて器で柔らかく混ぜていきます。
これでバタークリームは完成です。思ったほど時間がかかりませんでした。
そして、マーガリンバージョンは全く同じ作り方でバターをマーガリンに変えただけ。混ぜなくても最初からクリーム状ですが、一応最初に攪拌しておきました。出来上がったそれぞれがこちらです。
出来上がったものを見比べてみると、明らかに色が違います。マーガリンの方がやや黄色い。そしてスプーンで取り出してみるとまた違いが分かります。
明らかにマーガリンで作った方が柔らかいです。あのパキッと割れてくるような硬さが足りない。
そして、肝心の味です。バター使用は最初に食べたバタークリーム同様に濃厚で風味があって美味しいです。では、マーガリンはどうか。
バターを使用したものに比べて風味が薄いというか、軽いというか。ほんの少し油の浮いたような感じを覚えます。ただ、全体としては全く残念な味ではありません。少し軽い当たりのバタークリームだと言われれば、そういう物だと思って美味しく食べられる範囲です。
他の人にも感想を聞いてみよう
結局、通常のバタークリームはもちろん、マーガリンで作った物も決定的に残念な味ではありませんでした。これは単に私の味覚の問題もあるかもしれません。ということで、他のライターの方にも食べていただきました。
好みはあるけど、バタークリームは美味しかった
結局のところ、他のライターの方もマーガリン使用の方は風味が少ないとか、やや油っぽいとか。バターに比べれば気になる点はあるけど、残念というほどの味ではないという結果でした。
その当時のマーガリンと比べて今のマーガリンは格段に美味しくなっているでしょうし、もっと別の植物油脂を使っていたのかもしれません。それとも、スポンジとかを含め、総合的に味に影響を与えていたことも考えられます。
残念ながら今回はスポンジを焼くまでは出来なかったので、そこまでは検証できていません。いずれにしろ、バタークリーム単体はとても美味しいものでした。また作ってみます。