先日、都内のスーパーで買い物していたところ、ノスタルジックというか哀愁を感じる自分がいた。えっ、なんでそんなところで……? そう思うかもしれないが、目の前にマルタイの「長崎ちゃんぽん」カップ麺が置かれていたのだから仕方ない。
実はコレ、福岡県出身の私にとって思い出の味。カップ麺でちゃんぽんを食べるならマルタイで、地元で人気のうまかっちゃんやサンポーのラーメンなどと並ぶ鉄板の商品なのだ。
・食の三拍子が揃ったちゃんぽん
棒ラーメンでおなじみマルタイの販売している長崎ちゃんぽんは、スーパーだと148円(税抜)で購入できた。人気の理由の1つにこの安さがあるが、1976年から続く定番中の定番商品だけに味もしっかりついてくる……つまり「ウマい」から不動の人気なのだろう。
そして九州を中心とした幅広い地域で愛されるのにもワケがある。「ウマい・早い・安い」と食に大切な三拍子のうちの「早い」まで揃っているから……って、そのあたりは実際に手順をご覧いただこう。
中に入っているのは、かやく・調味油・ちゃんぽんスープ(スパイスと粉末スープ)とシンプルな構成。
他のカップ麺と同じようにフタを半分まで開け、かやく・ちゃんぽんスープの素、そして熱湯を入れて5分待つ。それから調味料を加えて混ぜれば……
完成とホラ早い
・昔ながらの味
たったこれだけ、もしお湯が沸騰した状態から調理を始めたならば5分でちゃんぽんを食べられる状態になる。
正直にいうと4分くらいで我慢できずにフタを開けてしまったのだが、個人的にカタ麺が好みなのでまぁOK。逆に言えば、そのあたりの調整ができるところも魅力である。
そして味の方は頭がおかしくなるほどウマい……とまで言えないものの、どこかアッサリしたところを残しつつ昔ながらの味つけでホッコリする。乾麺だから麺のウマさに限界があるとはいえ、それならではの良さを活かしたスープとの相性もいい。
なんというか……白米をドボンしたくなるようなチープさがこれまたいい味を出しているのだ。気になったのは1点くらいか。そう……
以前に比べて具が減った……ように感じたのだ。ま、ちゃんぽんに欠かせないカマボコがシッカリ入っていたからセーフとしたいし、それを踏まえても200円未満で安定の美味しさを提供してくれるところに価値がある。
何より飾らないところが一番の魅力。改めて食べたところ、相変わらずの至高ぶりで昔を思い出しながら完食したのだった。
今回、私はスーパーでノスタルジーを感じたものの、令和となった今では九州を離れた場所で買えるどころか通販で家に届けてもらえる。そのことに寂しさを感じつつもイイ時代になったものだと思わずにはいられない。