音を耳に直接ビーム?! 頭につけないヘッドホンがクラファン中

GIZMODO

2021年2月28日の記事を編集して再掲載しています。

ビームって言葉に弱いわ。

JLab Audio(ジェイラブオーディオ)やBose(ボーズ)がサングラス一体型イヤホンを出しているおかげで、最近、オープン型イヤホンがアツイ気がします。そんなオープン型の中でもとんがっているのがこれ、SoundBeamer。頭につけないヘッドホンです。

SoundBeamerを手がけるのは、イスラエルのスタートアップNoveto。端末自体はデスクの上にでも置いておけば、3Dモジュールがユーザーの耳を認識して直接音を届けます。一見スピーカーに見えますが、あくまでもヘッドホンの仲間なので、音は使っているひとりのユーザーのプライベートサウンド。真横に人がいれば多少音漏れする可能性はあるようですが、曲名がわかるほどではないとのこと。Ramstein氏いわく、ハイレベルの音響減衰を使うことで可能になるシステムで、通常3フィート離れるごとに音が20デシベル小さくなっていくのに対し、SoundBeamerだと部屋の向こうまで3デシベルしか減少せずに届けることができるのだといいます。

米Gizmodoの取材に対し、Ramstein氏はこう解説してくれました。「空気の非直線性を利用することで聴こえない音を送り、それがある特定の位置に届くと聴こえる音になるんです。つまり、頭の両側に、左右それぞれ独立した音のポケットを作るということ。そうすることで、私たちの技術は目に見えないヘッドホンと同じ役割になるんです」。

…おう。

SoundBeamerは、顔認証・ジェスチャー認証が可能で、周辺音のモニタリングもできます。また、AIも内臓されているのですが、いわゆるデジタルアシスタントとは異なり、SoundBeamerに搭載されているのはユーザーのサウンド体験を向上させるための仕組みとしてのAI。なので、「曲をかけて」とか「一時停止して」なんてオーダーはできません。

Image: Noveto

SoundBeamerは、現在、KickStarterで予約受付中(345ドル=約3万6600円)で、今年後半に一般販売(595ドル=約6万3200円)を開始する予定。クラファン系プロダクトには不安がつきものですが、Ramstein氏はFoxconnとタッグを組んで生産を進めるので、年末までにはリリースできるはずだと自信たっぷりです。

初代SoundBeamerはユーザーひとりだけが使える固定ステーションという位置付けですが、今後(第2弾)は複数人に同時対応できる機能も搭載したい考え。また、OEMも予定しているということなので、今後の展開が楽しみではあります。

置き型ヘッドホンなので使えるシーンは限られますが、頭につけないヘッドフォンとはなんて身軽。ものすごく気になりますが、こればっかりは使ってみないことにはなんとも言えない、わからない。Bose Framesも使ってみるまでその素晴らしさがピンと来なかったので、SoundBeamerもぜひレビューしてみたいですね。

Source: KickStarter