正直、飛行機が苦手だ。だって逃げ場ないじゃん。乱れた気流の中の飛行とか怖すぎる。特に、ヒュッと高度が下がる瞬間なんてこのまま墜落するんじゃないかとさえ思う。
つい先日、北海道に行った際も、乱気流の中でのフライトだった。「気流が乱れた中を飛ぶので揺れますがフライトに問題はないのでご安心ください」って、そのアナウンスがすでに怖いから。怖い怖い怖い……ってアレ? 怖くない?
・隣の人の迷惑になっているかも
そもそも、私(中澤)が成田空港を出発した日は、北海道で暴風雪警報がバンバン出ていた日。飛行機に乗る前に「着陸できないと機長が判断したら引き返す」とも伝えられていたし、実際、成田空港で欠航になっている便が何便もあったので、乱気流くらい仕方がない。
うん。仕方がないんだけど、怖いもんは怖いのである。成田出発直後、乱気流のアナウンスが流れてから、すぐにヒュッと高度を下げる飛行機。思わず体がビクッとして隣の人の足にぶつかってしまった。ビビりすぎて隣に迷惑をかけている可能性がある。これは良くない。
・突然の気づき
我慢……我慢だ。体を制御しろ。そう言い聞かせじっとしていると震えだす足。と、またもヒュッと下がる飛行機! その時だった!!
アレ? なんかあんまり怖くない……。飛行機の高度が下がったのは分かったのだが、なぜかいつものような恐怖を感じなかった。いつもと違う点は何だ? ハッ!
足の震えだ!
そう、飛行機が高度を下げる瞬間、足の震えと貧乏ゆすりで私の足は『まじかる タルるートくん』の原子力(はらこつとむ)のごとく高速で動いていた。ひょっとして、これを極めれば飛行機上において無敵になれるのではないか? そこで足だけではなく、上半身も揺らしてみたところ……やはり怖くない……!
フハハハハハ! 全く怖くないぞー!!
・禁断の技
自らが揺れることで飛行機が揺れているのか自分が揺れているのかよく分からなくなるこの技。これは発明だ! 「サンダークロス式フライト」と名付けよう! 吹けよ風、呼べよ嵐。乱気流と共に踊ろう空の彼方まで。と、その時、隣に座っていた友達の今井くんが私の肩を叩きこう言ってきた。
今井くん「普通に迷惑だから」
──というわけで、迷惑をかけないためにやってみたが、普通に迷惑だったようなので禁断の技とさせていただきたい。まあ、貧乏ゆすりでも揺れは紛れるので、それくらいで留めておくのが賢明だろう。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.