日本電気(NEC)は1月14日、来訪者データを利活用し、スポーツイベント開催時の市街地の回遊性向上と混雑回避の両立を目指す実証実験を本格開始すると発表した。
同日から3月18日において、埼玉県熊谷市の熊谷駅〜熊谷スポーツ文化公園間の沿道周辺や、両施設の周辺などで実施する。
同実験では、コミュニケーションアプリ「LINE」に、同社のイベントDXサービス「FORESTIS(フォレスティス)」を活用して構築した、熊谷まちあるきアプリ「くまぶら」を来訪者向けに提供。アプリを利用して、熊谷市内の飲食店を中心とした約50店舗で利用可能な割引クーポン、気象情報などを配信するという。
具体的には、ジャパンラグビー リーグワンの試合が熊谷ラグビー場で行われる1月23日と、2月19日、26日に、市内の店舗で利用可能な割引クーポンを配信する。年齢、性別などの利用者の属性をアプリに登録後、LINEトーク画面で利用者に合った割引クーポンを取得できるという。
また、試合の進捗に応じ、プッシュ通知での割引クーポンも配信する。交通機関などの混雑を避け、店舗に滞在を促す混雑回避と市街地での回遊性向上を実現していく。
アプリでは、割引クーポンだけでなく、スタンプラリーの実施、気象データを活用した“かぜ予防指標”も配信する。市内回遊を促進し、健康管理を注意喚起するとしている。
なお、アプリに登録された嗜好性や利用者の属性、割引クーポンの使用日時は、匿名化して分析するという。来訪者の好みや人気の高いスポットなどを抽出し、イベントが行われる際のより効果的な回遊を促進し、まちの活性化に寄与する。