空港の発着枠確保のため大量の無人便が運航されることに対する改善要請

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新型コロナウイルスのパンデミックにより旅客が十分確保できないにもかかわらず、空港の発着枠の数を維持するためだけに旅客を乗せない状態で行われるフライトが多数発生しているとして、ベルギー政府首脳が欧州委員会に対し改善要請を行いました。

Brussels Airlines fait voler 3.000 avions à vide pour conserver ses créneaux de vols – Le Soir
https://www.lesoir.be/416221/article/2022-01-05/brussels-airlines-fait-voler-3000-avions-vide-pour-conserver-ses-creneaux-de


Brussels Airlines va opérer des milliers de vols quasi vides pour conserver ses créneaux d’atterrissage et de décollage
https://www.rtbf.be/info/economie/detail_3-000-vols-a-vide-par-brussels-airlines-juste-pour-conserver-les-creneaux-de-vols?id=10908898

空港を1日に離着陸できる航空機の数には限りがあるため、各航空会社はそれぞれ発着枠の割り当てを受けてフライトの数を決めています。

一方で、多く発着枠を持つ航空会社がまったくフライトを設定しなかった場合、旅客の利便性を大きく損なうことになるため、枠数を維持するにあたってはそれなりのフライトの設定が必要です。

欧州委員会の定める規則によると、発着枠維持の基準は枠数の80%のフライト。ただし、新型コロナウイルスのパンデミックによる旅客数減少に伴い、基準は50%のフライトに引き下げられています。

しかし、ベルギーの副首相兼モビリティ大臣であるジョルジュ・ジルキネ氏は、欧州委員会のアディナ・バレオン運輸担当委員に宛てて、それでも基準が高すぎるとして規則見直しを求める書簡を送りました。

実際に、ベルギーの航空会社・ブリュッセル航空は発着枠確保のためだけにほぼ旅客がいないフライトを3000便も設定しているとのこと。ブリュッセル航空の親会社であるルフトハンザグループ全体だと、発着枠確保のためのフライトは1万8000便以上に上るそうです。なお、ルフトハンザグループがパンデミックの影響で欠航にした定期便の数は3万3000便です。

ジルキネ副首相は「経済的観点からも環境的観点からも、(発着枠確保の規則は)理解できるものではありません。発着枠使用の基準値をさらに下げ、航空会社によるフライト整理の柔軟性を高めることが求められます」と述べています。

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