DPZの「はげます会の会員数を増やす」ために、何が足りないかを前回調べました。会員数を増やすには、まず「ごあんない」ページを見る人を増やす必要があります。
はげます会へのリンクをめっちゃデカくしますか!?
そういえば第1回の記事公開した後のコメントに、「有料会員なんてあったんだ」「リンクあったんだ」っていうのがありましたね……。
「はげます会」が知られていないということですね(笑)。「なぜ知られていないのか」「なぜ入会してくれないのか」を知るために今回は実際にどのくらいの人がはげます会のページに来て、入会してくれているのかを調べましょう!
DPZのデータと直帰率を調べてみよう
井水: ごあんないページの流入数を調べる前に、まず2021年1月~6月のDPZサイト全体のデータを見ましょう。5月は記事がたくさん更新されていたので、それ以外の月のアクセス数は同じくらいですね。ただ、すごいのは直帰率です。メディア系のサイトで直帰率7割はすごく低いと思います。これは、DPZを本当に好きな人や、いくつも記事を見ている人が多いということですね。
林: へー。直帰率低かったんですね。そういう世間の相場って、自分たちのアナリティクスではわからないんですよね。
井水: 他のサイトのアナリティクスは見ないですもんね(笑)。次は、流入元別で見てみましょう。ダイレクトからの流入が少しだけ伸びてますね。ダイレクトは、流入元がわからないものです。新規とリピーターだったら、新規が上がりやすいことがわかります。
流入ページで一番多いのはどこ?
井水: 次に、2021年5月~6月のランディングページのデータを見てみましょう。ランディングページで最も多いのはトップページで20%以上ありますね。DPZのサイトに来る人の5人に1人が毎回トップからDPZを見に来ています。データの期間を延ばすと、この割合が若干増えるので、データからも本当にDPZを愛していて、「見たい」という人がすごい多いことがわかります。
はげます会に入会してくれた人は、どのページから来ている?
井水: いよいよCVへ繋がる流入元を見てみましょう。一番右に「コンバージョン」という枠があります。DPZでは、「はげます会」の入会をコンバージョン設定しています。ここを見ると、どの記事から入ってきた人がコンバージョンしているかわかるのですが、ご存じでしたか?
林: そうなんですね(笑)。
井水: そうなんです。コンバージョンが多い順に並べ替えると、1番が「ごあんないページ」次が「ログインページ」次が「トップページ」と続きます。「ログインページ」は「新規登録ページ」のことなので、登録の課程でに1回セッションが切れて、新規登録しているだけだと思います。ですので、基本的には「ごあんないページ」か「トップページ」からの訪問者がコンバージョンしていると思われます。さらに下の、「login?」とパラメータがついているものも、「ログインページ」と同じだと考えると、記事ページからサイトに来て申し込んだ人はCV全体の5%以下と非常に少ないです。
林: ほとんどの新規入会は、はげます会の「ごあんない」のページから入会しているんですね。「ごあんない」の前に記事を読んでいたとか、そういうことでは?
井水: もちろんユーザー別でみると、申し込む方はこれまで記事をたくさん読んでいます(前回記事より)。しかし、最終的に申し込むときは、「トップ」か「ごあんない」から入会しています。つまり、入会されている方の多くは、トップページからよく記事を見にくるリピーター。もしくはメルマガに登録している方です。
石川: ちなみに、記事の下にもはげます会の「ごあんない」へのリンクがあるんですが、ここからはあまり流入がなかったんでしょうか?
井水: 流入自体はありました。しかしサイトに来ている人の8割は、その記事だけを読みに来た新規の方です。サイトの構成も知らなければはげます会が何かも知らない状況で関連記事のリンクをクリックされます。つまりその中に混ざって「はげます会ページ」のリンクをおいても「あれ?記事じゃないぞ?」って戻っちゃうと思うんですよ。
石川: そうだったのか……。
井水: 一応過去数ヶ月、こちらのリンクからはげます会ページを経て申し込みがあったかを確認したところ0件でした。
石川: ほぅー……0件(苦笑)。
林: いきなり「はげます会」といわれても、「はて?」ってなっちゃうのか。
井水: そうですね。案内の仕方にもよりますが、はげます会の存在を知ってもらうという意味で置いておくのは良いですが、申し込ませる意図だと難易度が高く、実際申し込みに繋がらないのが現状です。
林: そうか。まずは「知ってもらう」その後に「申し込ませる」ですね。
井水: そうです。では、次は申し込み完了までどのくらいの人が進んでいるかを見ていきましょう。
ユーザーがCVせず、離脱している原因を分析する
井水: はげます会に入会してくれる人を増やすには、まずはげます会の「ごあんない」ページのPVを増やす必要があります。ユーザーははげます会の「ごあんない」ページに来て、そこから新規登録ページに行って、支払い設定などをして、サンクスページに行く。この流れは絶対に通りますよね。
井水: では、はげます会の「ごあんない」ページへのPVを増やすには、どうしたらいいでしょうか。ここでは、ただ増やすだけではなく申し込みにつながりやすそうなユーザーを意識したいですね。
たとえば、リピーターは指名検索でトップページから来ている人が多いことがわかっているので、いつも見てくれている方に「はげます会」というものがあるよと、トップページの目立つ箇所で訴求するとか。
林: まずは「知ってもらう」というのが大事と。
井水: そうです、ではこちらも現状確認としてトップページからはげます会へ行った人を見てみましょう。2021年5月~から6月の2か月のデータです。ユーザーベースでみると、約330万人のうち、トップページから入ってきた人が、約2300人がはげます会のページにアクセスしています。セッションベースでみると、600万弱のうち、約2500くらいがはげます会のページにアクセスしています。
林: すげぇ……少ない。
井水: トップページに来たユーザーの約0.06%くらいしか、はげます会へ行ってくれない状態です。どうにかしたいですね。
ユーザーが入会までたどり着かないのはなぜ? 入会までのフローと遷移を確認する
井水: 次に、入会までのフローと遷移を確認しましょう。
井水: 「ごあんない」ページに行ったあとに、ログインページ(新規登録ページ)に移る人が、4.7%です。つまり、「ご入会はこちら」ボタンを押す人の割合です。で、ログインから入会確認ページに行く人が8.44%。
林: そこも少ないですね。
井水: 今後どうにかしましょう(笑)。最後は、入会確認ページから完了に行きますが、支払いのカードを選ぶところで、半分以上のユーザーが離脱しています。
林: ええ!? ここまで来てるってことは、かなり入会の意思が高い人ですよね。
井水: そうですね。支払い方法の選択で半分以上落ちてしまっているので、ページの遷移に課題がありそうですね。
ユーザーがどこで離脱しているのか、ヒートマップで確認する
井水: では、はげます会の「ごあんない」ページに行った人がどこまでページを見ているのか、ヒートマップで見てみましょう。
井水: PCページのヒートマップを見ると、ファーストビューに「ご入会はこちら」ボタンが表示されていることもあり、まんべんなく見られていますね。一方で、スマホ画面だとファーストビューに「ご入会はこちら」ボタンがないため、ヒートマップでは51%しか表示されていないですね。つまり、「ご入会はこちら」ボタンにたどり着くまでに2人に1人がサイトを去っていっている状態です。
林: それは少ない? 少ないですよね?
井水: えーっと、そうですね(苦笑)。言い換えるとメインビジュアルの「林さんの写真をみて」2人に1人が離脱していることになります。
林: そうか…ポーズを変えた方が良いのかな。
井水: www そうでなく、はげます会のメリットというか訴求ポインt……いや、いいです。施策を考えるときに改めて。
林: 今、説明しても無駄と思いました? 思いましたよね?www
井水: あと、「ご入会はこちら」ボタンを押すと「ログイン・新規登録」という見出しで「Amazonアカウントでログイン」というボタンが出てくるので、入会しようとした人は恐らく戸惑いますよね。
林: 確かに……。
井水: 一旦クリックして進んでみます。このページは利用規約?でしょうか。
井水: 見出しの決済フローに関する文字が途切れてますね。
林&石川: ……切れてますね(笑)。
井水: AmazonにログインさせるということでAmazonPayで簡単に決済完了するかと思いきや、規約確認のちに、さらに決済選択をするんですね。
石川: 改めて見るとなぜだろう。
一同: (笑)。
井水: 決済周りはシステムに依存するので出来ないことがありますが、少しシンプルになるよう改善したいですね! さて、最後の確認です。
PVとCVはどう関係している? CVが良かったときの施策を振り返る
井水: はげます会ごあんないページのPVとそこからのCV数の推移をみて何か気づきが無いか見てみましょう。はげます会への入会は月平均30人くらいでしたよね?
林: そうです。平均するとそのくらいです。
井水: グラフを見ると、たしかに平均30くらいなんですが、最大が60、最小が7と大きな差があります。これはなぜでしょう。グラフを見る限り、PVはCVに大きく影響するわけではなさそうなので、何か別の施策をしてましたか?
林: そうですね。キャンペーンをやりました。CVが多かった2020年10月には、はげます会のオープン2周年で、以下の3つの施策を行いました。
- トップページ上部のビルボードバナーをはげます会の告知に使用
- 通常は会員限定の生配信を一般公開
- 限定動画公開
井水: なるほど。はげます会へ誘導が上手くいった施策はありましたか?
林: 「田村美葉さん 近況インタビュー記事、はげます会限定で公開中です」という記事が良かったですね。記事を公開した日はCVが良かったです。
井水: 限定記事(会員になると記事全文が読める)はCVに直接つながることがわかりましたね。別の限定記事も公開した日に多少なりCVがあるので、「会員しか見れないんだったらお金払ってでも見たい」という人が一定層いることもわかりました。
分析で見えたことと課題
井水: 一度、前回からの分析を含めて見えてきたことと、課題をまとめましょう。
林: 検索エンジンからの流入の積み上げと、トップとはげます会ページへの流入が増やせたら良さそうですね。
井水: そうですね。前回の分析でライターごとにファンがいることがわかったので、そこは強みです。平坂さんが特別なのかもしれないですけど、何千人も指名検索で見に来るっていうところは、生かしたいですね。結局、はげます会へ入会してくれている人は本当にDPZのことが好きな人が多いというのは見えてきました。でも、8割の新規訪問者はそのまま。この100万人以上の新規訪問者を、どうファンにしていくかも重要ですね。
林: そうですね。DPZを好きになってもらいたいので、新規訪問者をリピーターにするような施策をやっていないのも課題ですね。あとは、編集部が積極的にはげます会への誘導アクションを起こさないと入会へつながりにくいというのも課題ですね。
井水: 課題がまとまったので、次回は具体的に施策を考えてみましょう。