いつものようにナイロビ市内をグルグルと愛車セレナで流していると、女性の乗客が手を挙げた。よかった。オレがタクシー運転手を続けられるのは、こういったお客さんがいるからに他ならない。
行き先を聞き、車を走らす。非常におとなしい女性だ。沈黙に耐えきれなくなった私は、彼女に質問してみることにした。「ねえ、どんな男がイケメンだと思う?」。彼女は答えた。
「そうね、まず背は高く。これは絶対条件よ。次にスリムなこと。痩せ過ぎはダメだけど、太っている人は論外ね。あとは肌の色。黒ではなく茶色がいいわ。最後に筋肉。特に胸の筋肉は重要ね」
そう言うと彼女は「たとえば、あの人」と指さした。
なるほどたしかにナイスガイ。ていうか、なんか怖そうな感じのイケメンだ。彼女、オラオラ系が好きなのかな……と思いつつ、イケメンには饒舌になる彼女のキャラが少し面白かった。これがナイロビのタクシーの車内。相変わらず客は少ない。クワヘリ。
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.