予算案が10年連続で過去最大に – 小宮山洋子

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政府が、一昨日24日に閣議決定した2022年度の当初予算案は、一般会計の歳出総額が107兆5964億円と、10年連続で過去最大になりました。

新型コロナウイルス対策の予備費や、超高齢化の社会保障費、そして防衛費などによって膨張しました。

歳入は、過去最高の税収を見込んでいる分、国債依存度は少し低下していますが、借金が膨れあがる体質は、そのままです。

税収が増えるのは、巨額の経済対策の効果によって、高い経済成長率を見込んでいるからで、「超特大のバラマキで投入した金の一部が、税の形で戻ってきただけだ」と財務省幹部は話している、と報じられています。

医療や暮らしについては、岸田首相の「分配」政策として、看護、介護、保育分野などで働く人の収入を来年10月から3%程度引き上げるため、計約600億円をあてます。

これは、必要なことだと思います。雇用・労働では、職業訓練の助成に、1019億円を盛り込み、対象は約22万5千人、とのこと。

脱炭素については、2050年に温室効ガスの排出を実質ゼロとにする「脱炭素」の実現に向けて、関係省庁が様々な支援策を用意しています。

電気自動車(EV)の購入や省エネ住宅の整備を支援します。

コロナ対策では、検疫や保健所を強化します。

また、医療提供体制の確保に2兆2千億円、検査・ワクチン接種体制の構築に1兆6857億円を計上しています。

防衛費が過去最大になっているのは、問題だと思います。

自衛隊と米軍が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を策定し、米軍の対中国作戦に応じて、南西諸島の軍事拠点化を進め、軍備を拡張しています。

防衛予算案は、5兆4005億円にも上っています。

本年度の補正予算に前倒しした7738億円と合わせると、6兆円を超え、国内総生産(GDP)の1%枠を超えています。

相手のミサイル基地を先にたたく「敵基地攻撃能力」の導入が焦点になっています。日米同盟を重視することは理解しますが、専守防衛を逸脱して、敵基地を攻撃すれば、中国との断絶は避けられません。

文民統制をきちんと機能させ、軍拡にならないよう注視する必要があります。

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