隠蔽体質だった与党に改善の兆し – 階猛

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15日、衆院予算委員会において今年度の補正予算案の締めくくり質疑を行いました。岸田首相との初の論戦に向け、補正予算の財源の捻出方法をはじめ、政策の目玉である「人への投資」や「事業復活支援金」の効果、コロナ禍で苦境にある事業者への金融支援、近時の物価動向が日銀の金融緩和に与える影響、さらには名古屋入管で亡くなったウィシュマさんの問題など、多岐にわたる質問を準備していました。

ところがこの日の朝日新聞の朝刊で、国交省において、第2次安倍政権が発足した直後の2013年から、建設業者が毎月の受注実績を記入した調査票を実態より良く見えるように改ざんしていたことが発覚。これにより、GDP(国内総生産)など国の経済指標にも影響が及びかねません。政府予算に盛り込まれる経済対策の根拠も揺らぎかねないため、急遽質問を変えてこの問題を追及することにしました。

最初に記事が真実か確認したところ、斉藤国交大臣がこれを認めて陳謝。そこで私は、3年前に厚労省で雇用統計の改ざんが発覚したことをきっかけに、政府内で国の基幹統計を一斉に点検して再発防止を図ったにもかかわらず、なおも今回の統計の改ざんが続いたことを指摘。これまでの経緯や改ざんの動機、関係者の責任を明らかにし、再発を防ぐために「第三者委員会」を立ち上げるべきだと提案。併せて、「第三者委員会」の調査結果が公表されるまでは、来年度の本予算を審議すべきではないと主張しました。

岸田首相は、原因解明と再発防止策の必要性は認めましたが、「第三者委員会」の設置と調査結果が公表されてからの予算審議入りは認めなかったため、「自浄能力のない国交省の内部調査ではなく、外部の有識者による第三者委員会の調査が必要だ。それによって政府の統計への信頼を回復した上で予算を審議した方が国民の納得感を得られる」旨を真剣かつ丁寧に述べ、岸田首相に決断を求めました。

その場で明確な答弁は得られませんでしたが、首相の「聴く力」を目の当たりにし、ある程度の手応えを感じました。その翌日、岸田首相は「第三者委員会」を設置し、1か月以内に検証結果をまとめることを表明。来年度予算の審議は例年1月下旬から始まるため、予算の審議前に調査の結果が明らかになります。何とか一定の成果を得ることができました。

これまで立憲民主党は「政府の批判ばかり」と揶揄されてきました。それは安倍・菅政権では不祥事が起きても真実を隠蔽し、非を認めないため、いくら追及しても成果につながらなかったからです。「聴く力」を売りにする岸田政権では改善の兆しがあります。次回以降、さらに「瞬発力」と「説得力」を高め、追及を成果につなげていきたいと思います。

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