「人間、物事を始めるのに遅すぎることなんかない」とはやや意味が違うかもしれないが、人はある程度の年齢になっても突然何かにハマったりするらしい。なぜなら私、P.K.サンジュンの父「ヨシオさん(74歳)」が、いきなり『無印良品』に目覚めたからである。
なぜ父が無印にハマったのかは後述するとして、今回はその父が猛烈プッシュしてきた「ごはんにかける 牛すじとこんにゃくのぼっかけ」についてお知らせしたい。頑固者の父が魅了された「牛すじとこんにゃくのぼっかけ」とはいったい──。
・74歳、無印にハマる
つい先日のこと。亡き母の誕生月だったため、父と私、そして2人の妹の家族はお墓に集合していた。軽い墓参りなのでみな軽装であったが、ヨシオさんだけが山登りに行くかのようなリュックを背負っていた。
一通り墓参りを済ませたあと「ちょっといいか」と全員を集合させた父。やがてリュックから次々と取り出されたのが『無印良品』のレトルト食品である。その数、合計24食分。おそらくあの時点でヨシオさんは「日本一無印のレトルト食品を持ち歩いてる男」だったハズだ。
それはどうでもイイとして、ヨシオさんは無印にハマるような人ではない。というのも、これまでのヨシオさんは「近所の総菜屋」や「テレビショッピングで売ってる俺は買わないレトルト食品」を得意分野としてきたからだ。
・74歳、猛プッシュ
聞けば近所のショッピングモールにある『無印良品』に立ち寄った際、いくつかのレトルト食品をいたく気に入ったよう。中でも猛烈にゴリ推ししてきたのが「ごはんにかける 牛すじとこんにゃくのぼっかけ(350円)」である。
──父ちゃんが無印とか珍しいね。
「いやな、サンジュン。本当にこれ馬鹿に出来ないぞ。ご飯にかけて食べてみろ、馬鹿に出来ないぞ」
──でも牛すじとか父ちゃん好きそうだね。
「いや、サンジュン。温めてご飯にかけるだけでいいんだよ、本当に馬鹿に出来ないぞ」
──ふーん、じゃあそのうち食べてみるよ。
「これはな、本当に馬鹿に出来ないぞ。本当に馬鹿に出来ない」
──いや、そもそも俺は馬鹿にしてないから。
父がどれだけ無印良品を馬鹿にしてきたかは知らないが、とにかく父いわく「ごはんにかける 牛すじとこんにゃくのぼっかけ」は「馬鹿に出来ない」らしい。というか、ヨシオさんは無印を何だと思っていたのか?
・74歳が魅了される味
さて「ぼっかけ」とは、牛スジやコンニャクを甘辛く煮た近畿地方の郷土料理のことで、公式サイトによると無印のぼっかけは「生姜をきかせた醤油ダレで甘辛く煮込みました」とのこと。うむ、普通にウマそうである。
で、実際に食べてみたところ「うわー、ヨシオさんが好きそうな味だなぁ~」と思わずにいられなかった。ポイントは「味が濃いこと」と「旨味がしっかりあること」だ。
74歳なのに塩分欲が止まらないヨシオさんは、とにかく味が濃い食べ物が大好物。この「ぼっかけ」は無印にしてはかなり味が濃いため、ヨシオさんにズバッと刺さったのであろう。個人的にはご飯の量を2倍にしてもいいくらいだ。
また、牛すじの旨味が効いているため、ただ味が濃いだけの ぼっかけにはなっていない。味付けこそ濃いものの、そこは丁寧な仕事の無印良品。素材を活かした美味しいぼっかけに仕上がっている。
調べてみると「ごはんにかけるシリーズ」は10種類以上がラインナップされており、どれもなかなかウマそうだ。実際のところは食べてみないとわからないが、おそらく「馬鹿に出来ない味」なのだろう。ヨシオさんからの報告を待ちます。