20時45分。銚子電鉄「外川(とかわ)行き」の最終電車に乗るため、JRから銚子電鉄のホームへ向かうと、何やら怪しいピンク色の電車が停まっていた。正面には「生姜ピンクニュージンジャー号」なるヘッドマークが誇らしげに掲げられている……え、何何何?
銚子電鉄とは千葉県銚子市を走るローカル鉄道。経営状況がまずいため「まずい棒」や「鯖威張る弁当(サバイバル弁当)」を販売するなど “自虐” ならぬ “自ギャグ” をウリにしていることで有名だ。真っ暗なホームにポツンと佇むピンクの電車……嫌な予感しかしねぇぇ。
・絶対にあきらめない銚子駅
ちなみに銚電の銚子駅は、ネーミングライツ(駅名愛称命名権)により、2018年1月1日に「絶対にあきらめない 銚子駅」へと生まれ変わった。度重なる経営危機を何度も乗り越えてきた銚子電鉄の精神がそのまま駅名となっている。
絶対にあきらめない強い気持ちで電車を走らせる銚子電鉄……目の前のピンクニュージンジャー号にもそんな熱い思いが込められているに違いない。ただ、終電ということもあって乗客はだいぶ少ないようす。20時台でも十分に不気味な雰囲気が漂っていた。
どうやらプレートを確認したところ「岩下の新生姜」とのコラボレーションした電車らしい。それでピンクジンジャーってことか。なるほどなるほど……
──と、納得したところで車内に足を踏み入れると……え。
怖い怖い怖い怖い。
怖い怖い怖い怖い。
嫌ァァアアアアアアアアアアアアアア!
死ぬほど怖い。天気の良い日中ならメルヘンな気分になれるかもしれないが、終電でこれはヤバい。完全にホラー映画……アルパカのぬいぐるみに襲撃される展開待ったなしである。地獄行きの特急列車、まもなく出発します。無理ィィィイイイ!
どうやらピンクニュージンジャー号は、地元在住のバルーンアーティストの方が、岩下の新生姜ミュージアムの公式キャラクター「イワシカ」と「岩下の新生姜アルパカ」を使って、かわいらしくデコレーションしたらしい。キュンとときめくバルーン列車なのだとか。
キュンとときめく前に、股間がヒュンと縮み上がってしまった。くり返しになるが、終電でこれはヤベェ……終電でバルーン列車の独り占めはヤバ過ぎる。アルパカ怖ぇぇぇ。
そして路線図も確認できないほどのバルーン量。怖ぇぇぇ。
とはいえ、インパクトは抜群。一生忘れられない終電となった。もちろん、ぬいぐるみに襲われることもなく、無事目的地に到着したことは報告しておきたい。
最後にまとめておくと、こちら銚子電鉄と岩下の “相互乗り入れ企画” として、犬吠駅ではアルパカ等のぬいぐるみを販売し、岩下の新生姜ミュージアムでは銚子電鉄のぬれ煎餅を販売しているらしい。
つまり、両社のファンになってもらうための企画で、運が良ければ(悪ければ)同列車に乗れるそうだ。機会があればビビらずに乗ってみてくれよな!