中で暮らせるソーラーカー。
オランダにあるアイントホーフェン工科大学で作られたソーラーカー「Stella Vita」が、学校からスペイン南端のタリファまで1カ月間、太陽光発電のみで2,896kmの走行を達成しました。
出発は9月19日で、到着は10月17日。アイントホーフェンからベルギーのブリュッセル、フランスのパリとボルドー、スペインのマドリードといった主要都市を経由し、各地で歓迎を受けたり工科大学などを訪問しつつ、ロードトリップを満喫したようです。
What a city Madrid was! Thanks to the @NLinSpain we had a lot of inspiring events. They helped us organize events at such beautiful places. We are very thankful for all the help that the Dutch embassy gave us! #solarehv#vita#future#mobility#solar#sunpic.twitter.com/rQvisHZCoY
— Solar Team Eindhoven (@SolarEHV) October 12, 2021
公道走れます
我々がイメージするキャンピングカーとは異なり、宿泊するときは内側の壁がせり上がり、太陽光パネルを広げます。ですが、ちゃんとナンバープレートを取得し、欧州のどこでも走られるよう安全基準もクリアしています。とはいえ、高速道路と山道を走るには不安があったため、自主的に安全な下道をゆっくり走ったのだそうです。
WE MADE IT!☀️ pic.twitter.com/wdObZP54f4
— Solar Team Eindhoven (@SolarEHV) October 16, 2021
デカいけど定員は2名
最高時速は120km/hで、通常の走行距離は600km。ですが晴天時には730kmまで走れるようになります。全長は7.2mで幅は2.05m、キャンプ形態に変形すると幅が4.40mで、高さは1.83mから2.54mへトランスフォームします。ふたり乗りの車内では調理や洗濯、テレビの視聴など普通の暮らしができる設備が揃っていますが、全エネルギーを太陽光発電で賄えてしまいます。
走る家を作った結果
開発にかかったのは1年半。22人のチームが一丸となり、まったくのゼロからデザインを考えました。彼らは自動車産業が考える車ではなく、技術革新と日常の間を埋めるような車を作ったので、こんな形になったのでした。
チームは、この「Stella Vita」が、移動手段とエネルギーの観点からさらに持続可能な未来が加速するよう、今の市場と社会に影響を与えられることを希望しています。見た目もスタイリッシュですし、いつかもっと洗練されたモデルが市販されると面白そうですね。
「Stella Vita」のYouTubeチャンネルでは、旅の経過を動画にして公開しています。執筆時はまだゴールの様子がないので、いずれ登場したら感動の瞬間が見られることと思います。
Source: YouTube (1, 2, 3), Twitter via Solar Team Eindhoven via INTERESTING ENGINEERING