なんだかガタイのいい…
昔、たわむれにサンショウウオのダジャレ画「参照ウオ」を書いたらちょろりとウケた。サンショウウオが文字通り何かを参照しているのである。それ以来、ときどきソイツのことを思い出しては、何かできないかなと考えていた。
そうだ、ページ押さえってもんがあった。
意外と買うのは初めて、「ページ押さえ」
要は、ページ押さえ、あるいは「ブックストッパー」「ページオープナー」などシャレた名前で呼ばれるそれを、サンショウウオモチーフで作るだけなのだが、まずはその発端となった絵を見ていただこう。
現代においても、論文など書くときにWebページだけでなくこうした書物から物事を参照することがあろう。
この「ペタッ」としたお手手、4本指のお手手で、ページを押さえてもらいたい!そして物事を参照したい!と思ったのである。続ける。
ダイソーにページホルダーが売っているというので買ってきた。さすが、「雑誌や楽譜、料理の本などに」とうたっているだけあって、猫のフォルムなんかしちゃって、オシャレこの上ない。
でもページを押さえられないと意味がない。雑誌など薄めの本よりもちょっと無理して、単行本サイズの本を押さえさせてみる。
半信半疑だったが、見事押さえられた!そして保持!べんりだ!買って良かった!
それならば、このフォルムをちょっと真似させてもらおうと思う。
形はゆるいが工程はきつい
この猫は金属だけど、うちで金属加工は難しいので、原型を作って型とってレジン流し込んで作ることにする。さあ急に忙しくなってきた。
忙しい場面ではあるが、ここで成果物の参照ウオさんにゲストに来てもらって話を進めよう。
どうもどうも、やっと3次元のあなたとお会いできました。
・・・。
(やりにくい…)あの絵ではあなたが「参照主(こんな言葉あるのか)でしたが、今回作るのは「私が参照したいと思ったところをあなたが実際に指し示す」モノ、というわけですね。
・・・。まあどちらにしても「参照ウオ」だね。
はい。
こう書くと「成形」とか「原型」とか「立体」とか、たいそうなもんができるかのような言い回しですよね。あっ…。
・・・。たいそうなもんでなくて申し訳ないと思っとります。
ただでさえ手前味噌なネタで申し訳ない上にこの感じ。せめて、この安くない粘土が無駄遣いにならないよう、最後まで心を込めて制作していこうと思う。
さて申し訳ないようだがなんとこれで原型は完成だ。
これを、シリコーンで型取りします。このスカルピーの原型そのままではページ押さえとしてもろいので、レジンキャストというプラスチック素材に置き換えるのですよ。
我々で言う「脱皮」、みたいなものでしょうかな(※作者注:サンショウウオも脱皮をする)。
全然違います。置き換えなので、脱皮というよりは…なんだろう…義体化?
サンショロイド…。
これに色を塗って、サンショロイド、もとい「参照ウオープナー」が完成である。さあ、押さえていただきましょう。
大丈夫でした!これで名実ともに「参照ウオ」!やった!
ミュータントなんとかみたいにムキムキなのが心外ですが、お役に立てるのなら幸いでございますな。
(ミュータント…あの亀ね)これくらい筋肉がつけば、あの岩屋からも楽々出られるのでは!(※作者注:小説「山椒魚」のことを言っている)
おお、それでは彼にもこの記事を参照させようぞ。(おわり)
まとめ
とりあえず参照ウオの本懐は遂げることができた。今後、これで参照しまくりである。生活がぐんと向上した。
今回は白レジンしかなく、プライマー塗ってアクリル彩色したんだがページに挟むとやはり色落ちしてしまった。ハードな使用に耐えるにはやはり金属であろうか。いよいよ義体っぽくなるな。