駄菓子屋といえば、平台にずらりと並んだお菓子の数々。名前も原材料もよくわからないシュワシュワのパウダーやヨーグルト的なもの、やたらと長期保存できるカステラなどに夢中になったものだ。
その一方で壁に飾られた「くじ」は、賞品が玩具やブロマイドだから食べられないし、菓子に比べるとちょっとだけ高かった記憶があるから、遠い存在だった。
しかしいまの筆者は違う。大人だから、くじを丸ごと購入できるのだ! まだ誰も賞品を抜いていない新品のくじ。どんな賞品があるのか全品をチェックしてみた。
・「みんなでくじびきの時間ですよ。懐かし玩具」(税込3080円)
今回購入したのは引いたくじと同じ番号の賞品がもらえる、いわゆる「当てくじ」で、「当たり外れの差がないタイプ」だ。誰が買っても、ほぼ同じ価値のものが当たる優しい設計。1回100円でくじを引く想定と思われる。
1つ1つの賞品は手のひらサイズだが、40個も貼りつけてあるので、かなりの大きさ。そのまま店頭に陳列できるようになっている。部屋に飾るとなんだか非日常感があるぞ。
くじも同梱。バラバラにする前なら中の数字がわかるので、陳列前に「特定の数字だけ抜く」といったことも理論上は可能だ。駄菓子屋ではあまり意味はないが。
準備完了。店主も客も筆者1人だが、くじを引いてみよう! ドキドキ……
記念すべき第1投は32番である!
誰も足を踏み入れていない新雪の大地のような台紙から、32番を探し出す。木製のコマだった!
これは筆者的には少々ハズレである。なぜなら、人生で1度たりともコマを回せたことがないからだ。ヨーヨーならちょっとだけできる。
8番、13番、23番、24番、38番も同賞品だったので、およそ8人に1人はコマが当たることになる。当たり外れの差はないとはいえ、どちらかというと頻出する平凡な賞品といえるだろう。
続いて出たのは21番の「武者めんこ」! さすがの筆者も昔ながらの紙めんこで遊んだ経験はない。明治時代に一気に普及したのだそう。
これもたくさんあるなぁ……と眺めていたら、あることに気づいた。
絵柄が2種類あった! 戦国時代風の武者絵のパックと、「月形半平太」や「鞍馬天狗」など時代劇のヒーローがあしらわれたパックだ。「遠山の金さん」が大将なのがおもしろい。
続いて出た紙風船も、吹き戻し(ぴろぴろ笛)バージョンと、竹とんぼバージョンがあった。同じ賞品にみえても細かいバージョン違いがあって、子どもたちが楽しめる工夫があるなぁ!
どんどん行こう。小さな「だるま落とし」や……
落とさないように夢中になって続けてしまう「ふきあげパイプ」
おっと、ここで3番が出た!
しつこいようだが、これは「当たり外れの差がないタイプ」のくじである。しかし一般的な抽選なら数字が若いほど目玉賞品を意味するし、壁かけタイプだって子どもたちが当てたくなるような見映えのする賞品が上段にくるものじゃないだろうか?
賞品は「ポリバルーン」だったー!!
いまでも遊ばれているのかわからないが、ストローの先に薬液をつけて膨らませると、簡単には割れないシャボン玉のような風船ができる玩具である。
なんとこの賞品は、全40個中2個しかセットされておらず、20人に1人しか当たらない計算だ。レアアイテムといっていい。
このまま目玉アイテムを紹介していきたい。1番が出るともらえる万華鏡! こちらも2個しかセットされていない。
2番が出るともらえる「ゴムピストル」。いまの時代だと「危ない」といって没収されちゃうかも。
3番は前述のとおりポリバルーンで、4番は「おてだま」である。どれも微妙に「懐かしいというよりも、もうちょっと昔の時代」の玩具で、かえって新鮮である。
上位の賞品はいずれも2個ずつしか入っておらず、サイズも大きく、原価もちょっと高いのでは、というアイテムだった。「当たり」と呼んでいいんじゃないだろうか。
最後に全40個の内訳はこちら!
万華鏡×2個、ゴムピストル×2個、ポリバルーン×2個、おてだま×2個、武者めんこ×6個、だるま落とし×6個、ふきあげパイプ×6個、コマ×6個、紙風船×8個である。
ちなみにこのセットは「懐かし玩具」がテーマなので上記のような構成だが、キャラクターグッズや、某アニメで大流行中の和柄アイテムなど現代的なセットもたくさんあるぞ。
自宅で駄菓子屋ごっこをしたい方は、ぜひチェックしてみてくれ。当たった賞品、全部自分のものという夢のような体験ができる。ダブりがたくさん出てしまうのが難点だが、親類の子たちに配れば大喜び間違いない。