「申し訳ありません。お客様のお荷物の配送が遅延しております」
私のAmazonアカウントで、上のような文言がずっと表示されていた。まさに、「ずっと」だ。いくら待っても変わらない。配達予定日を3日過ぎても、5日過ぎても、「遅延しております」のまま。
一体何があったのか? あまりにも配送される気配がないので気になって調べてみたところ……! ひとことで言うと、こうだった。
配送中に商品が消滅
……どういうこと? と思うかもしれないが、文字通り消えたのだ。あるいは、ロストバゲージのAmazon版みたいなものが起きたと言った方が分かりやすいかもしれない。
現在、Amazonの方で返金処理をしてくれたので金銭的に損はしていないものの、購入した商品(プロテイン)がどこにあるのかは分からない。もしかしたら、どこかの家に私のホエイプロテインが届いているかもしれない。
この記事を読んで身に覚えがある方がいたら、牛乳にでも溶かして飲んでくれ。慣れない人は抵抗があるかもしれないが、ココアみたいで美味いぞ。
・なぜ?
それはさておき、気になるのは「一体何が原因でAmazon版ロストバゲージが起きたのか?」ってことだろう。これを調べるのはヒジョーに骨が折れたのだが、Amazonと配送業者(ヤマト運輸)に何度も問い合わせて分かったことをまたしても ひとことで言うならば……
Amazonの倉庫を出て配送業者(ヤマト)に届くまでの間に消えた
ってことになる。図にすると以下の通りで、Amazonの担当者によれば、倉庫を出た商品は一度配送業者の元に集められ、そこから自宅等に運ばれるそうだ。
今回のケースでは、Amazonの倉庫を出たことは記録に残っているが、配送業者(ヤマト)の方にたどり着いた記録が無いらしい。これは何もヤマトだけが主張していることではなく、Amazonも認めているから事実だろう。
・倉庫を出てから消えた理由
じゃあ、なぜプロテインが倉庫を出てから消えたのかというと……それに関してはAmazonも分からないという。また、倉庫からヤマトの方まで運ぶのはAmazonが委託した配送業者の担当で、その配送業者についてAmazonは「社名は明かせない」とのこと。
ここでポイントなのは、Amazonの倉庫から配送業者の集積所的なところに運ぶ業者と、そこから自宅に運ぶ業者は異なるってことだ。私も知らなかったのだが、Amazonのカスタマー担当者によるとそうらしい。
で、私の場合は自宅に運んでくれる業者がヤマト運輸で、そのヤマトの手元にまでプロテインが届いていない。つまるところ、
ヤマトは何も悪くない
……ってことだ。当初、私はてっきりヤマト側がミスったのかと思っていた。おそらく、ヤマトがキャパーオーバー的なニュースをどこかで目にした読者の中には同じように考えた人だっているだろうが、繰り返す。ヤマトは何もミスっていない。
それどころか、私の問い合わせに親切に対応してくれたことを考えれば、大いに助けてくれた。また、Amazonも電話での問い合わせに対して真摯に対応してくれ、最終的に「ヤマトさんの責任ではありません。私どもの責任です」的な発言があったことも記載しておきたい。
このような経緯があったので、私はヤマトに対してはもちろん、Amazonに対してもネガティブな気持ちは無い。むしろ、Amazonを利用しまくっている身からするとミス率の少なさが奇跡のような気もしているが、私と同じような目にあうと何かと面倒くさいのもまた事実。
何より、ロストバゲージのAmazon版みたいなことは誰の身にも起こる可能性がある。よって、アクシデントから私が得た教訓をシェアしておきたい。これまたひとことで言うならば……
返金が可能な状態なら、サクっと返金してもらって新たに買う方がいい
──ってことだ。もちろん、購入した商品がトラブルに巻き込まれたことが前提。問題が何も無いのにやるのは迷惑なだけだが、「どうしようもない」ってときは素直に返金システムを利用する方がいいかと思う。
なぜなら、Amazonの場合返金処理はネット上で完結する。基本的にサクッと終わる。これが実に素晴らしい。一方で、チャットや電話で連絡を取ろうとしたらスムーズにいくとは限らない。
チャットでの問い合わせは要領を得ず、Amazonへの電話はなかなかつながらないことだってある。少なくとも、私のケースではそうだった。なんとか電話がつながっても、Amazonからは「ヤマトに聞いてくれ」と言われ、ヤマトからは「こちらでは分からない」となり、一時は「詰んだ」と思った。
今回の場合、記事にするため大まかな原因だけは把握する必要があったので、Amazonに何度も電話したものの……仕事じゃなければ確実に心が折れていただろう。それほどのストレスになったのは、私がサクッと返金手続きをしなかったからに他ならない。
配達トラブルがあると、誰しも「商品は今どういう状態なのか? なぜこうなったのだろう?」と気になるだろうが、それを知るためより面倒なことになったら割に合わない……ってことを身をもって学習した次第だ。
・返金のあと
ちなみに、返金処理したあとに私は同じ商品を買った。届いたのは翌日。これが本来のAmazonである。今や当たり前になったが、よくよく考えればとんでもない速さで届けてくれるのがAmazonだ。しかし、そんな優秀なAmazonだって、今回のように配送過程でボケるときがある。
頻発するものではない(と思う)から、レアなボケと言っていいだろう。そう、これはミスではない。ボケだ。無愛想で機械的なAmazonがたまに見せるテヘペロなのだ。
──そのように考えることが、ストレスなくトラブルを乗り切るための最強テクニック……かもしれない。
参考リンク:Amazonヘルプ&カスタマーサービス
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.