あんな結末を迎えるなど、一体誰が予想しただろうか。何の話かって、総合格闘技イベント「RIZIN.30」の扇久保博正選手である。バンタム級トーナメント2回戦で大塚隆史選手との激闘を制し、見事ベスト4進出。とても見応えのあるベテラン対決であった。
勝利後のマイクでは「トーナメントは絶対に僕が優勝するんで、僕に全ベットしてください」と宣言。そこまでは最高。文句ナシである。問題はその後の記念撮影だ。一体何があったのかと言うと……
・扇久保選手ベスト4進出
扇久保選手といえば、総合格闘技団体「修斗」でフライ & バンタムの二階級を制覇した実績を持つベテランファイター。吉田拓郎さんの名曲『落陽』を爆音で響かせながら入場する姿は、歌詞に出てくる “サイコロ好きのじいさん” のような渋みと色気を漂わせている。
東京ドームで行われたトーナメント1回戦では、序盤で右手を骨折しながらもバンタム級の裏番長、春日井 “寒天” たけし選手に勝利。そして2回戦は先述のとおり、同じくベテランファイターの大塚隆史選手を相手に、手数と有効打で上回り判定で勝利を収めたのだった。
さて、大会パンフレットの選手紹介ページを確認すると……ここ2大会の扇久保選手は、ドラゴンボールを意識した衣装、ポーズを披露している。
これは自身のYouTubeチャンネルで「かめはめ波」を披露したのがきっかけ。「かぁめぇはぁめぇ波ァァァァアアアア!」と叫ぶだけの動画が、コアなファンの間で「マジでヤバ過ぎるだろ」と話題になったのである。
そんなわけで格闘技ファンからすれば、最近は孫悟空以上に「かめはめ波 = 扇久保博正」のイメージが強いのでは。だがしかし……ここでやっと本題に戻る。2回戦勝利後の記念撮影で扇久保選手が披露したのは「かめはめ波」ではなく……
まさかの……
「勝利のアヒル口」だった。
こちら実は、扇久保選手がYouTubeのサブチャンネル『続・扇久保博正の明日に向かって走れ』で披露したもの。一部熱心なファンから好評ではあるものの、勝利後にカメラの前でやるのは早過ぎではなかろうか。
よし、もうこうなったら……
インタビュールームに行くしかねえ!
さっそく公式インタビューを終えた扇久保選手に「グランプリの優勝と、リング上でのかめはめ波」とお願いしたところ……「大晦日は優勝して、リングの上から かめはめ波を打ちたいと思います!」と力強く答えてもらった。これで安心。マジで頼んだぞォォォオオオオ!
なお客席からは、扇久保選手が試合後アヒル口をしていることに気がつかなかったため、その件については会見の場で触れられず。いずれにしても、年末大会での活躍に期待したい。
RIZINバンタム級トーナメントは4強が決定。大人気の朝倉海選手をはじめ、井上直樹選手、瀧澤謙太といったスマートなイケメンファイターが準決勝にコマを進めた。準決勝と決勝は大晦日に行われる予定。これまで以上の死闘が繰り広げられるだろう。まさに地獄。
1日2試合となると、技術はもちろん経験や圧倒的なタフさも求められるはず。ここのところ若手の台頭が目立つようになってきているが、大きな壁として扇久保選手がベテランの意地を見せつけたいところ。頼むぞ! うーむ、今からもう年末が楽しみである。
参考リンク:RIZIN FIGHTING FEDERATION / YouTube「おぎちゃんねる」,used with permission.
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24 / ⒸRIZIN FF