今まさに、この城を巡って、壮絶なる戦いの火蓋が切って落とされようとしていた
〝東京都港区赤坂5丁目TBSテレビ「たけちゃんと遊ぼう!」係〟
かつてそんな募集告知をするテレビ番組が存在した。いまや伝説となっている「風雲たけし城」である。
ああ、たけし城にでて、たけちゃんと遊びたい!
と願ったところで30年以上前に番組は終了しているためにそれも叶わぬ。
その代わりと言ってはなんだが「たけし城」に出た気になれる方法を思いついたので説明したい。
たけし城とは、SASUKEのルーツ的番組
「風雲たけし城」とは、1986年から3年間に渡って放送された視聴者参加型の体力勝負のアトラクションバラエティー番組。
守備である番組側が用意した数々の難関アトラクションに、攻撃軍として毎週100名程度の一般応募者たちがチャレンジ。
すべてのアトラクションをクリアした者だけが、最後のカート戦に参加。
城主のビートたけし氏の乗るカートの的を見事破ることができれば賞金100万円を手にすることができるというもの。
ちなみに先日、ビートたけし氏が生放送終了後、つるはしを持った暴漢から自身の乗る自動車のフロントガラスを割られるという事件があったが、その際たけし氏はこのカート戦のことを思い出していたという。うそだが。
攻撃軍の格好でテロップをつければたけし城!
たけし城の攻撃軍は各々用意してきた動きやすい服装で、赤いヘルメットをかぶっていた。
同じように私もたけし城の攻撃軍にありがちな服装をして、外へやってきた。
この格好でそれっぽいところで撮った画像に、パソコンで画像処理をほどこせば、たけし城に参加している風の写真が撮れ、出演した気分を味わうことができるかもしれない。
ほーら、もうほとんどたけし城である。だんだん気分も盛り上がってきたぞーーー!
と思った瞬間、私には番組恒例、攻撃軍の谷隊長による
「行けーーーーーーーー!」
の号令が聞こえてきたのである。
「谷隊長を先頭に新たなる攻撃軍が怒涛のように攻め込んで来た。今回新たに参加してくれた精鋭は総勢1名。今日こそ、たけし城を攻め落とせー!」
(というようなナレーションが毎週オープニングで流れていました)
まずは難関「ジブラルタル海峡」
バレーボールを抱えたまま、高所に設置された細い手すりの無い吊り橋を、守備軍からの高速バレーボール攻撃を避けながら渡り切れればクリアできるというアトラクション。
ちなみに我々世代は「ジブラルタ生命」を目にするたびに、お笑いコンビ〝ポップコーン〟の発するイントネーションで「ジブラルタル海峡ぉぉぉ~~~っ!」と言ってしまうという悲しい性質を植えつけられた世代だ。
ということで、まずはジブラルタル海峡から攻め落としていこう。
「ジブラルタル海峡ぉぉぉ~~~っ!」
我慢ができなくなった同世代のあなたも、一緒に口に出して言いましょう。
せーの
「ジブラルタル海峡ぉぉぉ~~~っ!」
アミ~~~~ゴ~~~!
つづいて難関「竜神池」
つづいてはたけし城の代名詞ともいえるアトラクション「竜神池」。
池の真ん中に設置された飛び石を使い、池を渡り切ることができればクリア。飛び石の中にはグニャグニャと曲がるダミーのものがあるので注意が必要である。
それではさっそく行ってみよう!
飛び石っぽいところであれば、だいたいどこでも竜神池になることがわかった。
オリジナルの難関を考えよう
たけし城には無いアトラクションでも、この格好でテロップをつければ、オリジナルのたけし城アトラクションがつくれるかもしれない。
ということで勝手に作ってみる。
まずは、道路で
ただの横断歩道だが、たけし城のフォーマットに当てはめてみれば難関に挑戦している気分になる。
つづいて、ありきたりなマンションでも
この格好でいるだけで、超ド級の難関に挑戦している気になってくる。
最後に、大型ショッピングモールでも
ただ遊んでいるだけでもたけし城の難関に挑戦している気がしてくるのである。
この格好で乗るのはある意味本当の難関だったが。
赤いヘルメットといえば野呂圭介
ここまで撮影したものを見返してみて、たけし城の攻撃軍にも見えるが他の何かにも似ている気がする。
なんだったっけなあ?
そうだ!「元祖どっきりカメラ」の、どっきりである旨を知らせにくる人だ!
だがしかし、思いつきでそんなことを書いてしまっていいのか?
ここまでたけし城に出た気分になりたいという記事を書いてきて、いきなりどっきりカメラの野呂圭介に見えると言われても読者諸氏は混乱するに決まっている。
書いてる私が混乱しているのだから絶対である。
しかし、このプラカードを持ってたけし城のアトラクションにチャレンジすれば、たけし城と元祖どっきりカメラとで化学反応が起こり、面白い写真が撮れるかもしれない。
どうするべきか?
迷っていたところに「行け!」の掛け声が私には聞こえたため、自分の思いつきと谷隊長の激励を信じてここは突き進むことにする。
結果、化学反応は起こりませんでした。
戦いは終わった…
ほんの少し工夫するだけで、子供のころから憧れていた風雲たけし城に出演したような気分を味わうことができた。
遠くにあると思っていたたけし城は、意外にも近くにあったのだ。
チャールズ・チャップリンは言った。
「人生に必要なのは、勇気と想像力、そして少しのお金だ」と。
私はこう言おう
「たけし城に必要なのは、外撮影とテロップ、そして少々の谷隊長だ」と。