飲み会は楽しい。お酒の力を借りて、スイスイ喋ることができる。
ただ毎回終わった後に「私きょう変なこと言ったかも」という反省におそわれる。急に頭が冷静になるのだ。
だったら、最初から飲み会を録画して、後半はみんなで録画を見つつ反省するのはどうだろうか。実験しました。
「録画飲み会」のやり方
簡単にやり方を説明すると
自粛と録画のしやすさも考え、今回はリモート飲み会の形式をとった。
本当にただの飲み会だった。「これ見返して面白いかな…?」と途中不安になる。
あっという間に1時間がたった。
後半戦「振り返り」開始
あとは前半の飲み会の様子をみながら、お酒を飲むだけだ。まずは画面共有で録画をうつした。
まず2人で待っていると
たった1時間前の映像で、まだ乾杯すらしていないのにもうえぐみがすごい。怖い。
深呼吸して続きを再生していくと
後半開始から6分経ったが、録画はまだ1分しか再生してされていない。
いいシーンは巻き戻して何回も見てしまうのだ。恐ろしい。沼だ。これほんとに怖いやつなのではないか。
たしか、この後はラジオの話で盛り上がったはずだ。すすめていくと
すると日西さん(現在)が
「思い出した。私、このあとお酒の配合間違えて、すごい『濃いな』って顔するはずだから見てて」と謎の予告をした。どういうこと?
しばらくすると、キンミヤをグラスに注ぐ日西さんがうつり
一度経験した時には気がつかず、あとから新事実を言われる。これがウソみたいにおもしろい。しかも気づかない過去の自分たちの滑稽さもしんどい。
飲み会は、本人だけが知っていることがたくさんあるらしい。「どうしてこの発言や表情をしたか」すぐ答え合わせができるのだ。
「前半と立場が逆転する」体験
そのあと、話題は郡司さんの「人生の悩み」にうつった。
ここで録画飲み会で一番驚いた「前半との立場の逆転」を体験する。
郡司さんはこの時点で「もうこのあと2人に論破されるだけだな」とわかっていたという。私も当時「これは郡司やられる!」とすぐにわかった。
このあと、2人はひたすら郡司さんに謝罪するばかりになった。
「正しさだけが全てじゃない」「おじさんがおじさんとしてふるまうことにすごく気をつけていたのに、客観的にみたら俺はおじさんだ」2人ともポエムみたいな反省が続く。
わかってもらえた郡司さんは嬉しすぎて「お前ら本当に気をつけたほうがいいぞ!」としまいにタメ口になった。
同じ事柄なのに、振り返っただけで1時間前と立場が逆転したのである。これはすごかった。
「録画飲み会」でわかったこと
結局、1時間の飲み会をずっと笑いながら2時間かけてみた。
たくさん発見があったのでまとめると
発見① 全員がたのしく過ごそうとしていた努力がわかる
意見が割れるときもだいたい「会をよくしよう」とそれぞれが動いた結果だった。「みんないいやつじゃ〜ん」と素直に思えた。
発見② 伝えられなかったことを補足でき、モヤモヤが残らない
一回目にイマイチだった話題も、「実はこう言いたかった」と補足できた。これは消化不良にならずとてもよかった。
また「実は言われてうれしかった」「これうざかった!」など全員で確認できるので、普段よりスッキリした状態で終われた。
発見③ 伏線回収的なおもしろさが続く
なんだかすごい体験だった。もうへとへとである。もう終わろう。
……と、ここで思いついてしまった「もしかしたらこの振り返りすら、録画してたから振り返れるのではないか?」
おまけ:「飲み会の振り返りの振り返り」を見る
とはいえHPがもうゼロに近い。ラスト5分だけ、いま終わった振り返りをかるく再生してみることにした。
そして「正気を保ったつもり」だったさっきまでの振り返りも、見返すとえぐみがすごい。全員めちゃくちゃいらないことを言う。
「もう自分はこういう性格なんだ」各々が悟りを開いた瞬間だった。
ただ前半を録画するだけで、飲み会がこんなにもしたことない体験になった。軽くタイムトラベルした気分だった。
ぜひみなさんも、元気な時にやってみてください。
「振り返り」のおもしろさは最強
1時間でこんなにボロが出るなら、日常をうつしたら人はどうなるのだろう。本当におもしろ恐ろしかった。そういえば、バラエティ番組でVTRを見たりするのも「振り返り」である。過去を記録して冷静な頭でみることは、たのしい鉄板の一つだったんだなと気がついた。