街にある「区またがり地図」は他の区が空白

デイリーポータルZ

大阪の街に設置されている、他の区を全く描写しない地図を「区またがり地図」と名づけて集めてみました。

大阪の街を移動しているとき、いつも気になっていることがあります。
それは――

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道路沿いなどに設置されている区の地図が、

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他の区にかかっている場合、全く描写しないということ。
他県ではどうなっているか知りませんが、少なくとも大阪市内はこんな感じです。
(ちなみに、他の区にかかっていない地図は普通)

別に区同士でケンカしているわけではないでしょうが、地図の一部が白いというのは不思議な感じがしますし、自分の区だけ表示するというのは非常にお役所的っぽくて、妙に納得してしまう部分もありました。

ちなみに実際の区境はというと――

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もちろん、道路の向こうの城東区は普通に存在していました。
写真の場所は、今の地図のちょうど正面にある道路で、手前の車線あたりまでがたぶん都島区。
これを地図通りに再現するならば――

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こうなってしまいます!
簡単な加工ではありますが、先のグラフィックが表示されていないゲームみたいで、ちょっと恐怖ですね。

そして不意に「区またがり地図」という、ちょうどよさそうな単語も思いついたので、俄然やる気になって大阪中を探し回りました。
まずは街で見かけたものをいくつか紹介したいと思います。

1、区またがり地図

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区境としてよくあるのが、線路で隔てるタイプ。
ここも線路の向こうが生野区でした。

上の方も白いので他の区なのかと思いましたが、単に掲示板と地図のサイズが合っていないだけのようでした。

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倒れそうなのか、なぜか縛られている地図もありました。
左から下にかけてガッツリ他区となっており、かなり白い部分が多いです。
そして白い部分は空いたスペースのように思われているのか、張り紙が貼られていました。

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鶴見区にあった地図では、端っこが真四角に消えていました。
緑色の部分の鶴見緑地は、真ん中で鶴見区と守口市に分かれているので、ちょうどそのあたりになります。
これはどちらかというと「市またがり」ですね。

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3つもまたがってる!と思いきや、上と左は同じ中央区でした。
2またがりで、やっぱり天王寺区の地図はサイズが合ってなかったです。

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今度こそ左から港区・西区・浪速区の3またがり。
川と川が合わさって、巾着みたいになっていました。

あとは無関係ですが、映り込んだ路面表示がいい感じ。

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こういうのもありました。横顔に見える地図。

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さらに逆向きも。
こっちの方がアゴがあって、より顔っぽいですね。

いったん広告です

2、理想の「区またがり地図」は○○○にある

こうして街を出歩くたびに地図を確認しまくっていったところ、ついに「これは!」と思う区またがり地図を発見。
それがあったのは――

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区役所!

字が小さいですが、上から時計回りに旭区・鶴見区・東大阪市・東成区・中央区・都島区の5区1市に隣接し、区の形を見せるために周りが圧倒的に余白でした!

区役所にある区の地図なので、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、今まで路上で見てきた地図とは明らかに別格で、これまで以上に興味をそそられました。

そこから大阪の区役所を巡る日々が始まり、ついに全24区役所を制覇。

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2カ所は建物周辺に地図が見当たらなかったものの、まずまずの数が揃いました。
しかもどれもキャラの濃い地図ばかり。

しかしさすがに全て紹介するには多いので、こちらも気になったものをピックアップしていきます。

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まずは天王寺区役所。
区またがり地図は、こういう緑色の掲示板の裏にあることが多いです。

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ありました!

上から時計回りに、中央区・東成区・生野区・阿倍野区・西成区・浪速区・中央区・中央区。

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中央区多すぎて笑いました。

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ちなみに天王寺区役所には区のマスコットキャラ「ももてんちゃん」が飾られていました。
他の区役所ではあまりこういうのを見なかったですが、華やかでいいですね。

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他には珍しいところだと、中央区では緑の部分が大阪城周辺だったり、

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北区は川の形に切り取られていて、土地がピンクがかっていたのでハートのようだったり、

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あとは他に類を見ないほど地図が汚れているところもありました。

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では、ここからはさらに変わり種を。
此花区の区またがり地図はかなり特殊で――

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左側が入りきらないため、上下に分かれていました!
正方形の掲示板に対して、横長の区だと上手く収まらないみたいですね。

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人工島である舞洲や夢洲は右下へ。
天気図などで見る沖縄のように、黒い仕切りをつけられていました。

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西淀川区の地図は超立派!
デカいし横に長いし、寄贈された特別仕様なだけあって他とは一味違いますね。

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ちなみに別の場所には、かつて使われていたであろう掲示板も発見。
今は防災地図が貼られていて、活用されているようでちょっとホッとしました。

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最後は東淀川区。
2本の大きな川に囲まれて、妙にうねうねしています。

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よく見ると、ここだけぽっかりと吹田市。気になりますね。
この場所から近いこともあって、ちょっと寄ってみました。

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一瞬で到着。
大きな歩道橋があるところで、何回か通ったこともある道ですが、この先から吹田市になっていたとは今回初めて知りました。

では、ここから後ろにある横断歩道を渡り、交番を過ぎたあたりに移動。

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この一番奥の、左右に渡っている歩道橋の手前くらいからが吹田市のようでした。

ちなみに地図を実写化するとこんな感じです。

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やっぱり怖っ!

現実世界でいきなり真っ白だと、圧迫感がこの上ないですね。

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さらにせっかくなので、逆方向にも行ってみました。
この地図の真ん中の、旭区へとつながっている豊里大橋を渡ります。

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幸い天気もよく、とてもいい写真が撮れました。
しかし地図を実写化すると――

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あああ旭区がっ!青空がっ!
これに向かって垂直に突入する勇気はない……

この世の果てというか、川を渡っているので三途の川っぽさも相まって、渡りたくない気持ちでいっぱいです。

やはり「先がない」というのは単純に恐怖なので、区またがり地図の中だけの方がいいですね。

国や都道府県の形はよくクイズ番組などで見かけたりしますが、区の形って案外気にしてなかったかもしれません。

そして『天王寺区だけ地図のサイズが合っていない問題』という、新たな発見もあったのでよかったです。

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