菅義偉首相が広島市の平和記念式典で行ったあいさつで原稿の一部を読み飛ばし、長崎市の平和祈念式典に1分遅刻した問題で、立憲民主党の福山哲郎幹事長は2021年8月10日の定例会見で、「非常に残念」などと述べた。
福山氏は、「総理周り、官邸の対応に少し違和感を持っている」とも話し、首相周辺や官邸の事務方に何らかの問題が起きている可能性があるとの見方を示した。「このことであまり菅総理を責めても仕方がないと思う」とも述べた。
広島は「とても残念」、長崎は「よく分かりません」
8月6日の広島の読み飛ばし問題では、各社が「首相周辺」の話として、原稿の紙が、のりでくっついていたことが原因だとみられると報じている。8月9日の長崎の遅刻問題は、菅氏が8月10日、記者団に対して「少し前に会場に着いていたが、結果的に時間管理上の問題で遅刻してしまった」と陳謝している。
福山氏は、一連の問題に対する見解を問われ、広島については
「お疲れもあったのかもしれないが、とても残念に思った。遺族の皆さん、そして核の廃絶に向けて願っている皆さんにとっては、非常に失望と傷つける結果になったのではないかと思う。少しでも注意をしていただければ、こんなことにはならなかったと思うので、非常に残念に思う」
などと話した。
長崎の問題については「よく分かりません」。こういったトラブルは珍しいだけに、驚きをもって受け止めたようだ。
「総理の周辺が緊張感がない結果なのか、何らかのトラブルが起こって1分遅刻をされたのか…。『1分ぐらい』と言われればそうかもしれないが、総理は普通はそういう対応はされないので、普通、会場にはギリギリとは言いながら早くに入られるので、ちょっと私もびっくりした」
その上で、トラブルが続いている背景として、首相周辺や官邸の事務方に問題がある可能性を指摘した。
「広島の読み飛ばしと、1分の遅刻と、なぜこういう形が続いたのかな、というのは、いささか総理周り、官邸の対応に少し違和感を持っている。このことであまり菅総理を責めても仕方がないと思う」
この日の会見では、元タレントの市井紗耶香さんを22年夏の参院選に比例区候補として擁立することを発表した。市井さんは19年7月の参院選に旧立憲から公認を受け、比例区から出馬したが、次点で落選していた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)