パンデミックの1年に5つの新製品–「Raspberry Pi」共同創設者に聞く次の一手

CNET Japan

 Raspberry Pi Foundationにとって、この1年間で最も顕著な出来事は、多数の新製品を発売したことだ(正確には、2020年に4種類のデバイスをリリースし、2021年1月にさらに1種類)。英国に拠点を置く同コンピューターメーカーは、同国がCOVID-19によって何度も都市封鎖に追い込まれる中で、その偉業を成し遂げた。

 Raspberry Pi Foundationの超小型コンピューターの需要は、短期間での在宅勤務への移行によって急増した。さらに、同財団は2020年4月に「Raspberry Pi High Quality Camera」を発売し、その1カ月後に「Raspberry Pi 4」の8GBモデルをリリースした。これに続いて、「Raspberry Pi Compute Module 4」と「Raspberry Pi 400」が発売され、直近では2021年1月に4ドルの「Raspberry Pi Pico」がリリースされている。

 「このようにやるべきことが山積みになっているときに、パンデミックが発生した」。「Raspberry Pi」の生みの親で同財団の共同創設者であるEben Upton氏は米TechRepublicにこう語った。「それら(製品発売)のたびに、われわれは大きく前進している」

 COVID-19が世界中のサプライチェーンと生産ラインに与えた影響を考えると、Raspberry Piのチームが5種類の新型デバイスを提供するエネルギーとリソースを捻出したことは、目覚ましい成果だ。2021年には注力する対象が変わるが、2021年にも大きな計画を立てている。

Raspberry Pi High Quality Camera。提供:Raspberry Pi
Raspberry Pi High Quality Camera
提供:Raspberry Pi

低価格コンピューターに注目が集まった2020年

 Raspberry Pi Foundationは、2020年におけるリモートワークへの突然の移行による影響を早い時期に実感した組織の1つだった。というのも、平常時には一家に1台のPCで十分と感じていたような世帯が、突如として、複数の家族が自宅で同時に仕事や学習をするというニーズへの対応を迫られたからだ。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界に拡大し始めたとき、Upton氏とそのチームにとって困難な1年が始まろうとしていることを示す不吉な兆候がいくつかあった。その1つは、サプライヤーから送られてくる部品の箱に、マスクが同梱されるようになったことだ。

 「実際に中国のサプライヤーからマスクがプレゼントとして送られてきていた」とUpton氏は語る。「サプライヤーが言っていたのは、『これからの数週間で少々大変なことが起きるはずだから、マスクが必要になるだろう』といったことだ」

 デバイスを早く見つけたい多くの消費者にとって、Raspberry Piの50ドルを下回るデバイスのラインアップには、明らかな利点があった。ラインアップの一部のデバイスは、基本的なデスクトップと同等の性能が超小型のフレームに詰め込まれている。Raspberry Pi製品の需要は急増し、2020年3月の販売台数は64万台に達した。これは同財団で過去2番目の月間販売台数だ。

 2020年通年の販売台数は710万台になった、とUpton氏は米TechRepublicに述べた。

 2020年発売のRaspberry Piシリーズで最も急進的な新製品の1つは、(デザインの観点ではおそらく)Raspberry Pi 400だろう。2020年11月に発売のPi 400は実質的に、同財団の主力製品であるRaspberry Pi 4をキーボードに詰め込んだものだ。

 Pi 400が発売されたころは、家から出られない家族全員の娯楽や学習の手段を多くの家庭がまだ見つけられずにいた時期であり、限られた予算と今まで以上に限られたデスクスペースを持つ家庭にもすぐに歓迎された。

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