競泳のアリアーン・ティトムス選手(20)のコーチを務めるディーン・ボクソール氏(44)の”歓喜爆発”ぶりが世界各国で話題となっている。
ティトムス選手のメダル獲得が決まると、我を忘れてしまい…。
「自分を見失ってしまった」
競泳女子400メートル自由形決勝が2021年7月26日に行われ、オーストラリアのティトムス選手が金メダルに輝いた。世界記録保持者の前回女王ケイティ・レデッキー選手(24、アメリカ)を0.67秒差の僅差で破った。
観客席で見守っていたボクソール氏は喜びを爆発させた。絶叫しながら駆け回り、こぶしを何度も振り上げた。スタッフとみられる女性の制止も振り払い、長髪を振り乱して体全体で感情を表現した。興奮のあまり途中でマスクを外してしまった。
米ABCニュース、ワシントンポスト、FOXニュースなどによれば、ボクソール氏は取材に「(嬉しさのあまり)自分を見失ってしまった」などと謝罪している。一連の動作は、元プロレスラーのアルティメット・ウォリアーを意識したという。
一方、ティトムス選手は試合後、「(ボクソール氏のはしゃぎぶりを)少しだけ見ました。ディーンらしいですね。彼はとても情熱的で…とても生き生きとしています」と触れ、「彼は仕事のために、家庭生活で多くの犠牲を払ってきました。彼は水泳のコーチとして100%の力を注いでいます。彼がいなかったら、私はここにいなかったでしょう」と語っている。
豪シドニー・モーニング・ヘラルド紙の19年のウェブ記事では、ボクソール氏を「ハリケーンのようにコーチングし、ひとたび動き出すと自然の力のように話す」と評している。
ボクソール氏は16年からコーチを務める。ティトムス選手の当時の400メートル自由形ベストタイムは4分11秒78だったが、レデッキー選手は16年リオデジャネイロ五輪で3分56秒46の世界記録を樹立しており、その差は15秒もあった。二人三脚で急成長を遂げ、悲願の金メダルを獲得した。