QNAP、NAS用OS最新ベータ「QTS 5.0」リリース、セキュリティやVPNなどを改善 キャッシュパフォーマンスも向上、「Edge TPU」で顔認識が高速に

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 台湾QNAP Systemsは、NAS用OSの最新ベータ版となる「QTS 5.0 Beta」をリリースし、ベータプログラムの提供を開始した。Linux Kernel 5.10を採用し、セキュリティやVPN、SSDキャッシュパフォーマンスの強化などが行われているという。

 ユーザーインターフェースも改善され、初回インストール時にプロセスを通知ボードで知らせる機能や、メインメニューの検索バーなどを追加。よりスムーズに操作でき、快適な視覚デザインへと最適化したとしている。

 セキュリティ面ではTLS 1.3に対応する。また、QTSおよびアプリは自動アップデートが可能だ。認証にはSSHキーが利用可能になっている。

 VPNサーバーアプリの「QVPN 2.0」は、WireGuard VPNに対応。セットアップのインターフェースも使いやすく改善されるという。

 Linux Kernel 5.10の採用によりNVMe SSDキャッシュパフォーマンスが向上。キャッシュアクセラレーションを有効化すると、メモリの負荷を軽減しつつSSDストレージをより効率的に利用できる。

 画像認識用のAI搭載エンジン「QNAP AI Core」でGoogleのエッジ向けTPU「Edge TPU」を利用し、NASにインストールしたアプリで高速な顔認識や物体認識が可能になる。画像管理アプリ「QuMagie」における画像認識や分類ではEdge TPUにより何千枚もの写真を高速に処理でき、時間を大幅できる。

 また、顔認識アプリ「QVR Face Insight」「QVR Face Tiger」ではリアルタイムの動画分析機能が強化され、動画中の顔認識を瞬時に行える。自動ドアのアクセス管理、出席管理、スマートリテールサービスなどに活用できるという。

 QNAPとULINK Technologyが共同開発した「DA Drive Analyzer」により、クラウドベースのAIを活用してドライブ寿命を予測。故障が生じる前にドライブの交換を計画するようユーザーに知らせることで、想定外の事故によるサーバーダウンやデータの損失を防げるという。