最近、野菜が高いですね。その影響は、庶民の味方野菜の王様「もやし」にまで出ているそうで、確かにスーパーで見てみると、いつもより10〜20円くらい高かったりする。
とはいえ、もとが激安で、そもそも以前から「こんなに美味しいんだし、もうちょっと高くてもいいのでは?」とすら思っていたもやし。節約もかねてよく食べているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、僕が偶然発見した、もやしの食べかたの幅をほんのりと広げられるかもしれないレシピをご紹介。
べちゃっとしたもやし炒めが好きで
最近、もやしが好きで、いろんな味つけで炒めては、晩酌のつまみにして食べているんです。特にお気に入りなのが、シンプルに塩で味をつけ、カレー粉を加えた「カレー風味炒め」。それをですね、ささっと炒めてシャキシャキで食べるのではなく、ちょっとべちゃっとするくらいによ〜く火を通し、ちびちび食べるのが好きなんですよ。
そんなことをくり返していて、ふと思った。このとろりとした食感。これって、「もやし炒め」というよりはもはや「カレー」に近い料理なんじゃないか? と。
そこで、もやしのカレー風味炒めにいつも以上にじっくり火を通し、どこまでカレーに近づくか試してみたところ、最終的に、カレー以外の何ものでもないものができてしまったんですよね。しかも、はっきり言って超うまい!
もやし炒め“すぎ”カレーを作ろう
作りかたは、はっきり言って「もやしにカレー粉と塩をてきとーに加え、あとはじっくり炒める」だけで、すべてフィーリングでOKなんですが、今回は一応、目安となる食材の分量なども記しておこうと思います。
じゃあいきましょう。
今回はこちらを使います。もやしは火を通すとだいぶかさが減るので、たっぷり1人前を作るとしたら、このくらい。ちなみに1袋39円でした。安い。
それを、ネットで検索した「もやし炒めをべちゃっとさせないコツ」である「強火&短時間で炒め」「塩はあとから加え」「なるべくもやしから水分を出さないようにする」の、真逆の方法で炒めていこうと思います。
というわけでまずは、もやしの断面からなるべく水分を流出させるため、手でぽきぽきと折りながらフライパンへ。面倒なら袋のまま手で揉むのでもいいかも。
そこに、味つけのためというよりは、これまたもやしから水分を出すため、控えめな量の塩をふり、たっぷりの油(今回は大さじ5)を加えて、
初めは強火で、じゅわじゅわしだしたら火加減を弱火〜弱めの中火くらいにし、たまに全体を混ぜながら、気長に炒めていきましょう。
しゃきっぱりっとしたもやし炒めもいいですが、このくらいしんなりしたもやし炒めがなんだか、いいつまみになるんですよね〜。
カレー粉の量は、メーカーなどにもよるので、「味を見つつお好み」でとしか言えず。すみません。
さらに弱火でぐつぐつやり続け、
もやしから出た水分が全体に行き渡り、もはや「もやし炒め」の面影はありません。
このあたりで、カレー粉と塩だけだとさすがに味がストイックになりすぎるので、軽く「めんつゆ」あたりを加えてもいいでしょう。最後に塩で調整するので、あまり味が濃くなりすぎないよう。
で、さらにしつこくもう5分くらい炒めたところ、
はい。ここで味を見て、お好みで塩を足せば、「もやしのカレー風味炒め」を炒め続けた「もやしだけカレー」の完成!
完成!
ここまで、水は一切足さず、正真正銘、もやし、油、めんつゆ、塩しか使っていません。それをごはんと一緒に皿に盛り、仕上げになんとなく粗びきコショウをかけただけ。
ところがこれがですね! もやしから出た水分で全体がとろ〜り渾然一体となり、それでいて、あれだけしつこく炒め続けたにも関わらず心地よいシャキシャキ感はほんのりと残っていて、単純にめちゃくちゃ美味しいカレー!
もやしがみずみずしくて、甘くて、なんだか大地の恵みのありがたみを感じるような深い味わいで、とても他に食材が入っていないことが信じられないんですよ。なんていうか、入れてない食材の味が勝手にいろいろしてくるような。
たぶん、たとえばひき肉とか、その他いろんな食材を入れればそりゃあ豪華な味になっていくんでしょうが、僕はむしろ、このミニマリズムを楽しみたい。そんな美味しさ。
普通にカレーを作ることを考えると、材料費激安にもほどがあるので、もやし好きの方はぜひ!