本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。
これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、または、スマホや「Chromecast with Google TV」向けの「torne mobile」アプリを組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。
前回は、nasneをWindows PCからストレージとして使えるようにしてみた。今回は最新のmacOS 12 Montereyを用いて、同じようにnasneを使えるようにしてみよう。
macOSのファイル共有にはSMBが使われる。このテクニックは、nasne以外でも使えるので、有効に活用して欲しい。
macOSではネットワークドライブにファイルマネージャーであるFinderの[ネットワーク]からアクセスできる。しかし、nasneはそのままではここに表示されないので、Finderの[移動]―[サーバへ接続]から直接接続してみよう。
接続先は、固定したnasneのIPアドレスでも、[ファイルサーバー名]でもいい。[ユーザの種類]は[ゲスト]を選んでおく。
マウントし続けていればそのまま利用できるが、一度マウントを解除してしまうと、その後に上記の操作が毎回必要になる。それも面倒なので、この操作をショートカットとして登録してしまおう。
ショートカットを作っておけば、一連の煩雑な手順をマクロとして登録しておける。[LaunchPad]―[その他]―[ショートカット]もしくは、Spotlightに[ショートカット.app]と入力して検索すれば起動できる。
これでいつでも簡単にnasneの共有フォルダーがマウントできる。ここで入力した内容は以下の通り。ほかのNASなど、LAN内の共有フォルダーへアクセスするときなどにも、自分用にカスタムして使って欲しい。
「smb://(ユーザー名):(パスワード)@(IPアドレスまたはサーバ名)/(共有フォルダー)」
Macでnasneの共有フォルダにアクセスした後に、Windowsでアクセスすると、フォルダーの中に「.DS_Store」などmacOS特有のファイルが自動的に保存されていて驚くかもしれない。
これらは、macOSがファイルの情報などを保存する固有のファイルで、macOS側からは見えない。Windowsからは見えてしまうが、不要なので無視して構わない。Windows側から削除すると、アイコン表示や位置などがリセットされるが、ファイル本体への影響はない。ただ、macOSから再度アクセスすれば、再び自動で作成されるが、基本的には気にせず無視して使うのがいいだろう。
WindowsとmacOSで、外付けドライブを介してファイルをやり取りする場合、通常はディスクフォーマットの違いで苦労する。Windowsの「NTFS」はmacOSからは読み出し専用としてしか使えないし、macOSの「APFS」(Apple File System)や「HFS+」(Mac OS拡張)はWindowsでは読み込めない。
WindowsとmacOS双方から読み書きするには、FAT32やexFATでHDDをフォーマットしなければならない。しかし、NASを経由すれば、転送速度はそれなりだが、こうした苦労はなく、離れた場所からやり取りが可能となる。家庭内にmacOSとWindowsが混在する場合には、ぜひ活用してみて欲しい。
次回はスマホからnasneの共有フォルダーへアクセスしてみよう。