長野県飯綱町と凸版印刷は6月3日、買い物や移動に課題を抱える住民に向け、スマートグラスを活用した買い物支援の実証実験を実施したと発表した。
同実験は、高齢者などの買い物や移動に課題を抱える住民を対象とする支援方法の検証を目的に、6月から7月末まで実施。飯綱町内に店舗を構えるセブン‐イレブン三水普光寺店、飯綱町社会福祉協議会が協力している。
対象者は、原則交通手段を持たない町内在住の高齢者で、事前登録した人および、事前予約した団体だ。
飯綱町では、少子高齢化や過疎の進行などにより、食料品などの買い物や移動に課題を抱える住民が増加。これらの課題を解決するため、買い物支援対策を重要な施策として位置付けている。
凸版印刷は、次世代DX開発拠点である「ICT KŌBŌ」を2020年4月より長野県飯綱町に開設。システム開発事業に加え、地域活性化の支援に取り組んできた。
同実験において凸版印刷は、デジタルを活用した課題解決の施策として、遠隔コミュニケーションサービス「RemoPick」を提供している。
同実験は、買い物をしたい対象者がタブレットなどを利用し、店舗にいるスマートグラスを装着した店員に欲しい商品をリアルタイムに伝えて買い物をする流れだ。
購入した商品は対象者宅などに宅配され、利用代金はモバイルPOSを通じて宅配時に支払われる。利用者は自宅などの遠隔地からでも、実際の店舗を見ながら複数の商品をその場にいるかのように選択・購入できるようになる。
宅配条件は、税別1000円以上の商品の購入。宅配料は、税込220円（税別3000円以上の注文で無料）。注文可能時間は、6月から7月の週1回（木曜日）で、10時～、13時～、14時～の3回。配達時間は、正午（10時注文のみ）と16時～18時の2回。
同実験後は、約2カ月間実施して確認した課題の整理と検証し、その結果を踏まえて9月中旬から2回目の実証実験を行うという。その後、2023年度以降の本格運用に向けた検討を行うとしている。
