ネットをチョチョッと検索すれば山ほどのグルメ記事にヒットする。記事があるということは、当然「グルメライター」たちがその陰にいるワケだが、そもそもグルメライターたちの味覚は信用していいものなのだろうか?
そこに自ら切り込む超ストイック企画「グルメライター格付チェック」の第6回は『たまご焼き編』をお届けする。全50回を予定している企画ではあるが、ズバリ『たまご焼き編』は神回だ。さあ、読者諸君……衝撃の結末を見届けよ!
・サービス問題かと思いきや
正直に申し上げると、当初『たまご焼き編』はサービス問題だと思われていた。調味料やフルーツと比較すると「加工食品」はやや難易度が低く、それなりにヒントを見つけやすい。実際にシーズン1では、9人中6人が正解している。だがしかし……。
結論から申し上げると今回はかなり時間がかかった。理由は後述するが、参加者のうち「これは簡単、すぐわかった」という声は皆無。もしかしたらシーズン2に「サービス問題」は存在しない……のかもしれない。
・高い方を当てる
さて、ここで『グルメライター格付けチェック』のルールを説明しておこう。参加者は目隠しをしたまま “超高級食材” と “普通の食材” を味見し「どちらが高いか?」を当てる。ウマいマズい、好き嫌いは関係なく「高い方」を当てれば正解だ。
今回用意した高級食材は、築地・大定(おおさだ)の「つきじ野」で、価格は1人前700円。大正13年創業の老舗のたまご焼きは、自社販売のみならず高級寿司店や高級日本料理店でも使用されている自信の逸品だ。
もう一方はスーパーで購入した「お寿司屋さんの玉子焼き」で、価格は198円。重量を考慮すると価格差はおよそ1.5倍になるが、果たしてグルメライターたちは、老舗の味を見極めることが出来るのだろうか?
楽勝ムードから一転、悩みに悩み抜いたグルメライターたち。各自のリアクションを以下でご確認いただきたい。
サンジュン:B 「Aしか食べてないけど、これはたぶんAでしょ。めっちゃウマいもん。……って、マジか。Bもすげえウマいじゃん……! うーん、悩むけどBはたまご焼きの “焼き” を感じたかな? あとBは出汁が効いてた。Aはやや砂糖甘いっぽい気もしたからBで。でもAも超ウマい」
GO羽鳥:A 「ちょっと待ってぇ~。これは意地悪な問題だな~。俺はBの方がウマいと思うんだけど、Aにはお寿司屋さんの酢の気配を感じたんだよね。安いたまご焼きがそこまでする? Bの方がありがちな気もしたし、これはAで」
佐藤:A 「はい、決めました。これはAですね。ちょっとBは水っぽいというか、なんか浸してあるっぽい感じがしたんだよな。あとAは噛むほど甘さがあって、最後に醤油の香りがフワッと抜けた。要するにBは奥深さを感じなかったかな?」
中澤:A 「僕は市販の甘いたまご焼きが好きじゃないんですけど、Aはだいぶウマいっすね。2つ食べてみて深みが全然違うと思いました。Aはとにかく奥行きがある。その点、Bは甘みが単調かな。これは確実にAの方がウマいですね」
あひるねこ:A 「これはAかな~? 味の系統は同じだけど、Bはちょっと整然とし過ぎているというか。確かにBは口に入れた瞬間に出汁が出て来たんですけど、そこが逆に工場っぽい気がしましたね。Aもアラを探したんですけど見つからなかった。Aの方が好きだしAで」
砂子間:A 「Aウマ! あれ……Bもウマいですね。でも答えはAです。Aはとにかく染みましたね。あと食べた後の香りに築地らしさを感じましたね。逆にBには築地を感じなかった。築地っぽさを考えてもやっぱり答えはAでしょう」
和才:A 「これは難しいですね……! ただあんまり食べたことが無い味はAなんですよね。なんか築地のたまご焼きって “観光地感” があると思うんですよ。そういう意味でいつもと違ったのはA。Bもだいぶウマいんですけど、やや食べ慣れてる感じがしましたね」
Yoshio:A 「はいはいはい、答えはAです。どっちも美味しいんだけど、Bは食べ慣れてる味がしたんだよね。娘がたまご焼きが好きで俺は余りを食べてるんだけど、Bの方がいつものっぽい感じがした。Bはガンガン砂糖、Aはお洒落な黒砂糖とも感じたね」
ご覧のように難問であったにもかかわらず、答えはさほど割れなかった。8人参加でAが7人、Bが1人……問題は私(サンジュン)だけがBだったこと。今シーズンは絶不調であるが、まさかの起死回生はあるのか?
どうなんだ!
どっちが築地のたまご焼きなんだーーーー!!!!!
正解は……
B!!!!!! Bが老舗の高級たまご焼き!!!!!
おっしゃぁぁぁぁああああ! まさかの1人勝ち!! まさかの1人勝ちでございます! ぶっちゃけ超不安だったけど自分を信じて良かった!! 俺的にマジ神回! というか、メーカーのたまご焼きもめちゃめちゃウマいよ!! むしろ普通に買うよ!
不正解で4勝1敗: 砂子間「Bに築地は感じませんでした」
不正解で3勝1敗: 中澤「Aはとにかく奥行きがある」
正解で4勝2敗: サンジュン「Bは出汁、Aはやや砂糖甘いかな」
不正解で2勝1敗: 佐藤「Bには奥行きが無い」
不正解で3勝2敗: GO羽鳥「Aは微かな酢を感じた」
不正解で2勝2敗: あひるねこ「Bは整然とし過ぎてる」
不正解で3勝3敗: 和才「Aの方が観光地感があった」
不正解で3勝3敗: Yoshio「Bは庶民の味がした」
大波乱の結果「全問正解者」が消滅したグルメライター格付けチェック、たまご焼き編。次回は当てられなかった引退覚悟の「ほぼカニ」と「本物のカニ」を食べ比べする予定だ。しばし続報を待たれよ。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.