「BunBackupを駆使して、Officeファイルだけをお手軽バックアップ」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(92)【急遽テレワーク導入!の顛末記】

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ワード、エクセル、パワーポイントのファイルだけなら、コンパクトにクラウドにアップロードできる

 前回はMS Officeアプリの自動回復用データを利用して、最新のファイルだけをNASにコピー。そこに自宅からアクセスすることで、いちいちWoL(Wake on LAN)を使わなくても、遠隔アクセスできる仕組みを構築してみた…… のだが、後から考えてみると、この方法には結構なムダがあった気がする。

……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が解除されてから4日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回は「BunBackup」の機能を駆使して、会社のPCがシャットダウンしていても必要なファイルだけ利用できる仕組みを、もっとお手軽に作ってみたい。

【今回のハイライト】

「対象ファイル」で条件を設定

容量を2GB以下まで落とせた!

後はOneDrive任せでOK

3月18日(金):VPN経由だと、やっぱり操作が面倒くさい……

MS Officeアプリの自動回復用データだけを、NASにバックアップしてみた

 前回は最新のOfficeファイルやテキストデータに、WoLを使わずに遠隔アクセスする方法を模索してみたが、これがなかなか上手くいった。今日もさっそくVPN経由でNASにアクセスしてみたが、いちいちUSBメモリなどに入れてデータを持ち帰らなくても、必要なファイルがすぐ使えるのは頼もしい。

 そこで、この方法を同僚に教えてみたのだが、操作手順がVPNのくだりに差し掛かったところで、相手の反応が急に悪くなった。話を聞いてみると、「VPNって接続にひと手間かかるし、ウチのはNASまでしかアクセスできないのが不便」なのだという。

 そう言われてしまうと、VPNのクライアントを起動して、接続して、エクスプローラーにNASのアドレスを入力する操作が、とたんに面倒くさく思えてきた。会社の同僚もNASにデータを保存するようになると、ストレージ容量を圧迫してしまう恐れもあるので、何か別の方法を考えてみたい。

3月22日(火):いや、VPN経由じゃなくてもいいの……か?

 あれから色々とファイルのバックアップ方法を検討してみたのだが、どうも先週にバックアップの手順を模索していた際に、その考え方自体に問題があった気がしてきた。

 あの時は「HDDの全データをバックアップするには、NASの容量が足りない」→「ならば、Officeファイルの自動回復用データだけバックアップすればいい!」。

 という結論に至ったわけだが、その保存場所は何もNASにする必要はなかった気がする。というより、わざわざ自動回復用データを保存しなくても、「ドキュメント」フォルダ内から、Officeファイルだけを選択してバックアップすればよかったのではないだろうか?(汗)

バックアップ元/先を指定したら、そのルールの設定画面で「詳細」ボタンをクリック。「対象ファイル」でバックアップ対象となるファイルを指定する

 さっそく、前回もファイルをNASにコピーするのに使った「BunBackup」を起動。バックアップ元に「ドキュメント」フォルダを設定した上で、バックアップの対象ファイルを拡張子から絞り込むと、ワードファイルだけを別のフォルダにバックアップできた。「除外フォルダ」機能を使えば、そのフォルダ内のファイルはバックアップの対象外にできるので、社外秘のファイルはここでフィルタリングしておけばよいだろう。

 これで、いちいちテキストエディタを使わなくても、ワードで保存したファイルだけをバックアップできそうだ。その方法の目処がたったので、明日にはさっそくバックアップ環境を構築したい。

3月23日(水):「BunBackup」と「OneDrive」任せで、自動バックアップ!

 朝の仕事がひと段落したところで、いよいよMS Officeのファイルをバックアップする環境を完成させることにした。

 まずは、昨日と同じように「BunBackup」を起動して、バックアップルールの設定画面を表示。対象ファイルに「*.docx」「*.xlsx」「*.pptx」と指定して、それぞれワード・エクセル・パワーポイントのファイルを指定する。

ワイルドカード(*)を使って、特定の拡張子を持つファイルだけをバックアップするようにルールを設定

プレビューを確認したところ、必要な容量は2GB以下だったので、さっそくバックアップを実行

 その上で、「バックアッププレビュー」を確認したところ、対象となったMS Officeファイルは全部で4675個あり、必要な容量は1.88GBだった。これなら、わざわざNASを使わなくても、無料のオンラインストレージで十分に事が足りる。

 そこで、「バックアップ先」に「OneDrive」内のフォルダを指定したところ、わずか数分ですべてのファイルをディレクトリ構造ごとコピーできた。次回以降はコピーするファイル数も減るので、数分ごとにバックアップを自動実行させても、ストレージへの負荷が作業の邪魔になることもないだろう。

OneDriveフォルダへのコピーが終わると、そのファイルがクラウドに自動でバックアップされる

ブラウザー上から、クラウドにバックアップしたファイルを利用できた

 すべての操作が終了した後で、ブラウザーからOneDriveを開いたところ、バックアップしたファイルを確認することができた。これでいちいちWoLを使わなくても、ことMS Office系のファイルだけなら、自宅からアクセスして使うことができそうだ。

 ただ、「BunBackup」によってコピーされたファイルが、さらにOneDriveによってクラウド上に保存されるときに、最初の30分ぐらいはアップロードが全然進まなくて不安になった。どうやらディレクトリ構造のコピーに時間がかかっていただけのようなので、また別のフォルダをバックアップ元に先に指定した時などに、ゲージが進まなくても安心して良さそうだ。

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