「請求書のオンライン受け取りに特化した『sweeep』を試してみた!」――急遽テレワークを導入した中小企業の顛末記(88)【急遽テレワーク導入!の顛末記】

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受取請求書AIをうたうクラウドサービス「sweeep」

 テレワークが始まった頃から、取引先には「請求書はPDFで送ってほしい」とお願いするようになった。おかげで、オフィスに行かなくなってからも、“届いた請求書が机の上に置きっぱなし”という事態はほぼ避けられている。

 ……この記事を書いている時点で、東京都でまん延防止等重点措置が適用されてから29日が過ぎた。

 私が勤めている新宿にある中小企業では現在、各スタッフが可能な範囲でリモートによる業務を行っている。その中で、今回はオンラインで受け取った請求書の受け取り/管理に特化したクラウドサービス「sweeep」のベータ版が2月8日にリリースされたので、その使い勝手を試してみた。

【今回のハイライト】

請求書をブラウザー経由で発送

ブラウザー上で請求書を確認

請求前/済のものをフラグで管理

2月8日(火):クラウドサービス「sweeep」のβ版がリリースされた!

 今日も自宅でテレワーク。朝のメールをチェックしていると、取引先から請求書が届いていた。

 “メールの返信をしているうちに、届いた請求書を経理に転送するのを忘れていた”というミスを以前にやらかしてから、メールで届いた請求書は、真っ先に経理に送るようにしている。とはいえ、“届いた請求書が一度担当者を挟んで経理に届く”というフロー上、どうしてもヒューマンエラーが起きるリスクは避けられない。

 そこで、今回試しに使ってみたのが、請求書受け取りに特化したクラウドサービス「sweeep」だ。以前に利用申し込みをしておいたところ、今日からベータ版の提供が始まったようなので、さっそくアカウントを作成。ログインすると、「受信トレイ」画面が表示された。どうやら、届いた請求書はここで管理することになるらしい。

会社名や名前などアカウント情報を入力

ログインすると、「受信トレイ」の「未取込」画面が表示された

 ちょうど、業務委託していた知人から、「依頼していた案件が片付いた」との連絡があったので、請求書を「sweeep」宛てに送ってもらうように頼んでおく。「sweeep」には請求書の受け取り専用のURLが用意されており、取引先はここにアクセスして、請求書をブラウザー上から送ることになるらしい。さて、どんな感じで請求書が届くか、楽しみだ。

URLは自動で割り当てられるようで、「会社設定」の「会社概要」に記載されていた

2月9日(水):届いた請求書のプレビューをブラウザー上で確認

 昨日の夜に知人から電話があり、どうやら請求書はすでに送ってもらえたらしい。「いきなりアドレスの入力を求められたから身構えちゃった」という話だが、その後はメールを送るのと変わらない手間で、請求書を発送できたようだ。

 ちなみに、最初にうっかり原本のExcelファイルを登録しようとしたところ、「拡張子が対応していません」と怒られてしまったらしい。これなら、請求書のオンライン発送に慣れていない相手からでも、ちゃんとPDF形式でファイルを受け取ることができるだろう。

専用のURLにアクセスすると、「本人確認」としてメールアドレスの入力などが求めらえる

PDFファイルをドラッグ操作で登録。あとは名前と件名などを入力するなど、操作はメールの作成とほぼ変わらない。2回目以降の利用では、社名や名前が自動入力されるようになるようだ

 こちらでも「sweeep」の受信トレイを確認すると、「未取込」カテゴリに1件のメール(になるのだろうか?)が届いていた。ここから添付の請求書をサービスに取り込むことで、電子帳簿保存法に対応した状態でPDFファイルを管理できるようになるらしい。メールごとに「確認中」というフラグを立てる機能もあり、取り込み前の請求書に何らかの確認事項があった時などに使えそうだ。

 さっそく、その取り込み作業をしようとしたのだが、どうやら先に請求書を送ってきた相手を「取引先」に登録しておく必要があるようだ。次の予定の時間も迫っているので、今日の作業はここまでにしておこう。

2月10日(木):請求書をサーバーに保存、経理業務も効率化しそう?

 朝の仕事がひと段落したところで、「sweeep」に届いた請求書を処理することにした。まずは、「取引先リスト」を開いて、請求書の送り相手を登録。これは、相手の会社名を入力するだけなので、特に手間なく操作ができた。

取引先の会社名を、「取引先リスト」に登録

 その上で、昨日届いたメールを開くと、添付されていた請求書のプレビューが表示された。なので、内容に問題ないことを確認。「取引先」のプルダウンメニューから、先ほど登録した取引先名を選んで、「取込完了」ボタンをクリックする。

 なお、この画面には「金額」欄があり、請求書の文面から金額を自動で読み取ってくれるようだが……。まだ、ベータ版ということもあってか、合計欄の金額を正しく認識していなかった。なので、今回は金額を手入力で修正することに。この欄は入力必須の項目なので、今後読み取り精度が向上してくれるとありがたい。

「取引先」を指定し、「金額」欄の内容を確認したら、「取込完了」ボタンをクリック

PDFファイルが「請求書」画面の「未処理」カテゴリに保存された

 ここで画面を「受信トレイ」から「請求書」へと移動させると、「未処理」というカテゴリに、先ほど請求書を取り込んだメールが移動していた。なるほど、ここからはメールからPDFファイルを切り離し、取り込んだ請求書だけを管理する工程に移るらしい。

 といっても、「請求書」画面での操作方法も至ってシンプルだ。件名をクリックすると、請求書のプレビューが表示されるので、問題なければステータスを「支払い待ち」に変更しておけばよい。

 なお、「請求書」内にある「未処理」「チェック中」「支払い待ち」「支払済」の各カテゴリに保存された請求書は、「取引先」や「取引日」でソートできるので、振込み期日が迫ってきたら振込み前の案件を確認。実際に振込みを行ったうえで、ステータスを「支払済」に変更すれば、処理が終わった請求書が「支払済」カテゴリに移動する。

「支払待ち」の請求書を一覧で確認。「メモ」欄があるので、記載した振込み日でソートできるようにしておくのもアリかもしれない

 後はこれを繰り返していけば、届いた請求書をもれなく処理していけるだろう。業務フローとしては、「受信トレイ」での操作は各案件の担当者が行い、届いた請求書の中身を確認して「取り込み」操作を実施。「請求書」での操作を経理が引き継いで、振込みや請求書の保管などを行うことになるだろうか? 届いた請求書はダウンロードすることもできるので、まだ完全に電子化できていない会社でも、紙での保管ができそうだ。

 請求書の処理を忘れていると、振込み漏れなどのクリティカルな問題になりかねないので、ミスを防ぐような業務フローを構築することが望ましい。できれば「sweeep」を会社の業務に使えないか、経理に相談してみることにしよう。

2月15日(火):ぶっちゃけ使えそうか、経理担当者に聞いてみた

 今日はZoomを使って、会社の全員ミーティングの日。その席で「sweeep」について説明したところ、社長などの反応がよかったので、うちの会社でも役に立ちそうか? 経理担当者に話を聞いてみた。

【飛田】: ということで、ぶっちゃけ「sweeep」ってあったら便利そう?

【経理担当】: う~ん、取引先から届いた請求書が、担当者レベルで止まりにくくなるかもしれないね。

【飛田】: 取引先から届いた請求書の転送漏れも防げるかな?

【経理担当】: それも大きいけど、「請求書を送りました」って、いちいち担当者から届いたメールを確認しないで済むのも便利だと思う。

【飛田】: そっか、請求書を取り込んだら、それが経理にも見えるようになるから、いちいち連絡しなくていいのか。

【経理担当】: こっちも、「請求書はまだ届いていない?」って催促しなくても済むよね。ブラウザー上で届いているか確認できるから。

 どうやら、現場レベルでも「sweeep」を使うことには、それなりのメリットがあるようだ。とはいえ、そこには中小企業ならではの問題もあるようで……。

【経理担当】: 取引先が請求書を全部PDFで送ってくれればいいんだけどね。

【飛田】: あぁ、個人の取引相手だと、原本を郵送してくることも多いのか。

【経理担当】: そうなったら、担当者がスキャンしてサービスに取り込むことになるから。かえって手間は増えるかもしれないね。

紙で届いた請求書をスキャンして、「請求書」に登録することは可能。文面から取引先名などを自動で判別し、登録してくれる

 その後の話し合いを経て、ひとまず取引先に「請求書をPDFで送ってもらえないか?」と、今後は確認してみることにした。これで、電子化が進めば、将来的には「sweeep」を使って、請求書を効率よく処理できるようになるかもしれない。

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