「山脈」と聞いて何を思い浮かべるだろうか? 私(佐藤)はプロレスの伝説的実況、古舘伊知郎氏が故アンドレ・ザ・ジャイアント(身長2m23cm)を「歩く人間山脈」と称したことが思い出される。その一言でアンドレのデカさが誰にでもわかるからだ。
……さて、そんな山脈の1つに私は挑んだ……。
その名も「コロッケ山脈」、はたして私は制覇できるのだろうか? 本稿は私の冒険をつづったリアルドキュメントである。
・「コロッケ山脈」の噂
未知の山脈があると風の噂で聞き、その真相をたしかめるために、我々取材班は最寄のローソンストア100へと飛んだ。
「まさかこんなところに山脈がある訳がない!」、現地におもむくまで私もそう考えていたのである。ところがパンコーナーに足を運ぶと我が目を疑った!!
コロッケ山脈(たまご)だと!? 1つ税別100円。それが8個もある。なんてことだ!? 山々が連なっているものを「山脈」という。では、山脈が8個連なったものはなんて呼べっていうんだ、チキショー!
頭を抱えながら1つ買って帰った……。
・Croquette Mountains
だが、コレが本当に山脈かどうかはまだ確信が持てない。なぜならその全貌を目にしていないからだ。袋ごしに薄っすらとコロッケが見えているが、袋から出すまでは山脈と認める訳にはいない!
袋に注目すると、そこには……。
「Croquette Mountains」
とある。英語表記はちょっとカッコイイな。
そして袋を開けて慎重に中身を取り出した。これはまさしく!
マウンテン!!
コロッケ山脈だな! 名前の通りに峰が連なってる~!
上空から撮影すると、大きなパンの谷に半割のコロッケが4つ連なっていて、コロッケの手前に川のようにたまごが挟まっている。
コロッケにわずかに降り注いだソースの痕跡も見逃すべきではないな。さて、どう攻めるか?
さらに分析してみると、コロッケはパンのセンターに位置している訳ではなく、少し(向かって)右側に寄っている。この寄り方もコロッケ山脈攻略のカギとなるだろう。
手に持つとズッシリと重い。いまだかつてこれほどまでに重量感のあるコロッケパンがあっただろうか? 「山脈」という言葉の重さを形にしているようだ。
・登頂開始
よし行くぞ! コロッケ山脈登頂開始!!
思いっきりかぶりつきたいところだが、パンが崩れてコロッケが崩落する危険性があるので、ひと山ずつ切り分けて食べよう。
コッペパンはフワッフワだ! 商品名は武骨だけど、それに反してパンは柔らかい。ジャガイモコロッケは衣サクサク。わずかにかかったソースはほとんど味がしていない。色がついているだけで味がしないので、ソースの味を頼りにしてはダメだな。干上がった川と一緒だ、そこに水はない。
ひと山乗り越えたところで次へ。うっかり2つの山を一緒にちぎってしまった。早くもピンチ! この危機を乗り越えられるだろうか?
着実に口の中に放り込みながら、1歩1歩踏みしめるようによく噛んで食う。2つ目の山を越えたあたりで激しい喉の乾きを覚えた。コッペパンが口中の水分を奪っていたのだ! そこですかさず水分補給。お茶を飲んで呼吸を整えて最後のひと山へ。
脳裏にここに至るまでの思いがよみがえる。それらの記憶をなぞるようにして1口。また1口と味わっていく。そしてついにコロッケ山脈の制覇達成! やったぞー!!
これからコロッケ山脈制覇に挑もうという冒険者たちへ。私から1つアドバイスだ。飲み物は忘れるな! コッペパンに水分奪われるぞ!! では、また次の冒険で会いましょう。さようなら。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24