東京建物とMetCom、国内で初めて「3次元位置情報」をビル管理業務で活用。誤差1mレベルの高精度測位に成功 

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スマートビル管理システムにおける管理員の見え方

 東京建物株式会社とMetCom株式会社は、屋内測位技術と垂直測位サービス「Pinnacle」を組み合わせ、ビル内の管理員の位置を3次元で捕捉する実証実験を3月に都内で実施し、誤差1mレベルで高精度に把握することに成功したと発表した。ビル管理業務において3次元位置情報を活用するのは国内初としている。

 今回の実証実験では、東京建物日本橋ビル(東京都中央区)において、スマートビル管理システム「Dynamic Building Matrix(DBM)」と3次元位置情報を管理員のスマホアプリ内で連携させることにより、ビル内の何階のどの部屋に管理員がいるのかを把握できるようにした。

 Wi-Fiによる屋内測位と気圧センサーを活用した垂直測位の組み合わせにより高精度3次元測位を行うスマホアプリにはPDC-DC株式会社の屋内測位エンジン「add3」を採用し、ビルの地下1階から2階まで合計22カ所にWi-Fiアクセスポイントを設置した。この高精度3次元位置情報をDBMに取り込み、区画表示された領域のどこに管理員がいるかをリアルタイムにマッピングして表示した。

建物内に設置したWi-Fiアクセスポイント

 さらに、地下1階から2階までの各フロアで歩き回り、スマホアプリとDBMでそれぞれ歩行の軌跡をリアルタイムに表示させたところ、実際のビル管理員の位置との誤差は1mの範囲に収まることが確認できた。

アプリに表示された歩行軌跡

DBMにおける東京建物日本橋ビル内のビル管理員の位置表示

 東京建物とMetComは2023年中をめどにスマホの活用による点検作業時間の削減および管理員の正確な位置の共有、対応の迅速化、記録の蓄積などを通じて、初動時間や点検作業時間の削減を定量的に検証する方針。記録蓄積により効率的な巡回ルートのシミュレーションを行うことが可能となる見込みだ。

 従来の測位技術では屋内の位置情報を正確に把握できず、ビル管理業務での実用化には至らなかったが、今後は追加実験により巡回警備のDX化や点検、清掃など広範な業務の高度化・効率化に取り組むとしている。

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