BBソフトサービス株式会社(BBSS)は1月31日、ネット詐欺対策セキュリティソフト「詐欺ウォール」で検知したデータに基づく2021年12月の「インターネット詐欺リポート」を公表した。詐欺サイト検知数が2021年11月から約3万件増加し、中でも通信キャリアをかたる詐欺が前月比2.3倍と大幅に増加した。
2021年12月の詐欺ウォールによる詐欺サイト検知数は311万6021件で、前月の11月と比較すると3万656件増加した。クリスマスや年末年始にかけて増加する買い物などの需要を狙った詐欺サイトの動きが活発化していると、同社では分析している。
また、通信キャリアをかたるフィッシング詐欺サイトが12月には1852件検出され、前月比2.3倍と大幅に増加した。
通信キャリアを詐称したメールやSMSに記載したURLからフィッシングサイトに誘導し、IDやパスワード、暗証番号などの情報を詐取するのが、通信キャリアをかたるフィッシングの主な手口だ。
12月のフィッシング詐欺サイトで盗用されていたブランドランキングでは、11月に2位だったauが1位となった。2021年10月の同ランキングではソフトバンクが3位に入っており、同社では、大手通信キャリアを順番に追う傾向が見受けられるとしている。
フィッシング詐欺サイトのカテゴリ別の構成比では、通信キャリアは11月の17.9%から30.4%と大幅に増加し、全カテゴリ中最多となった。次いでクレジットカード/ファイナンスが25.6%から28.7%と微増。ECサイトは40.9%から24.3%と減少した。
そのほかでは、厚生労働省をかたるフィッシング詐欺も報告されているという。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大による懸念や不安につけ込むことを狙ったものと同社では見ており、ワクチン接種に関する情報は自治体を通して封書などで通達されるのが一般的だが、疑わしい情報を受け取った際には、安易に信じずに必ず情報発信元など正確な情報を確認するようにと呼び掛けている。
BBSSではフィッシング詐欺被害防止のためのチェックポイントとして、「メールやSMSで案内されたURLが正規URLか確認する」「個人情報やクレジットカード番号の入力を促すメール・SMSに注意する」「ログインID・パスワードの使い回しを控える」といった点を挙げている。