広島県福山市内で行われたアニメのイベント「フクヤマニメ」で、立憲民主党の衆院選候補者がイベントを選挙利用したと、主催者がツイッターで抗議している。
この候補は、イベントのエリア内で無断撮影などをしていたという。候補者側はその後、撮影写真などを投稿したツイートを削除した。「人が集まっている場所にあいさつに伺ったが、嫌な思いをされた方がいたなら申し訳ない」と話している。
「撮影などの中止を求めたが、聞き入れられなかった」
このイベントは、地元のデパートや新聞社などでつくる実行委員会が主催し、2021年10月23、24日の土日にJR福山駅周辺で行った。広島エリアでは最大級のアニメイベントといい、4回目となる今年は、コスプレやアニソン、eスポーツなど多彩な催しを行った。
イベントに来た候補は、31日投開票の衆院選に広島7区で出馬した元東京都議の新人、佐藤広典氏(45)で、佐藤氏は23日、「フクヤマニメにお邪魔させていただきました」と公式ツイッターで報告した。この投稿では、赤い上着を来た選挙スタッフとみられる人たちが「♯変えよう」とハッシュタグ付きプラカードを持って佐藤氏を囲む写真や、たすきをかけた佐藤氏が路上の人たちと握手したり商店街を見回ったりする様子の写真を載せた。
そのうえで、「皆様から応援をいただきました。飲食店の皆様、日ごろ大変なことを理解しております」などとエールを送った。
この投稿に対し、翌24日になって、フクヤマニメの公式ツイッターは、次のように抗議のリプライを送った。
「エリア内での撮影・PRについて『フクヤマニメが選挙に利用されている』と沢山の参加者様からご意見を頂き、やめて頂くようにお願いしましたが、聞き入れて貰えませんでした。フクヤマニメ実行委員会は、事前に知らされておりませんし、承諾もしておりません」
リプライは、1000件以上リツイートされており、様々な意見が寄せられている。
「選挙期間中であり、駅前で政治活動が行われるのは至極当然」とする意見も出る一方、「政治活動の自由とはいえ 正直デリカシーに欠ける行為だ」「候補者が勝手に政治利用してはいけない」と主催者に同意する声も相次いだ。