電子書籍や動画配信サービスといったエンタメを楽しんだり、ドキュメントの閲覧・編集といった用途で人気のAndroidタブレット。画面が大きいため迫力のある映像を楽しめるし、雑誌のような文字が小さい書籍でもタブレットの画面サイズなら視認性も高い。
最近ではAndroidタブレット自体の数が少なくなるだけでなく、タブレットそのものを手がけるメーカーの数も減っている。その傾向はあるものの、新製品は投入されており、大画面を活かした魅力的なモデルが多数ラインナップされている。今回は数あるAndroidタブレットの中から合計7モデルをピックアップして紹介する。
メーカー数減少の中、意欲的な端末が登場
前述の通り、Androidタブレットを販売するメーカーの数自体が少なくなる中で、多彩で魅力的なAndroidタブレットを提供し続けているのがレノボだ。
詳細は後述するがセカンドディスプレイとして利用できる個性的な製品に加え、低価格ながら十分な機能を持つコストパフォーマンスの高いモデルなど幅広い製品を取り揃えている。そのため今回取り上げた製品も必然的にレノボが中心となっている。
充実したスペックのAndroidタブレットという点ではファーウェイも魅力的なモデルを多数ラインナップしているが、ファーウェイはGMS(Google Mobile Service)非対応、つまりGoogle Playを使ってアプリをインストールできないという大きな問題がある。利用がブラウザ中心になるなどAndroidタブレットとしての利用が制限されるため、今回のラインナップからは対象外としている。
同様にAndroidをベースとしたAmazonの「Fire HD」シリーズも、低価格ながら充実したスペックではあるものの、Amazon独自のアプリストアしか利用できないという問題がある。これら製品を選ぶ際は、Google Playストアを利用できないという点には注意してほしい。
なお、海外ではXiaomiが「MiPad 5 Pro」「MiPad 5」というモデルを発表しており、Snapdragon搭載や120Hz対応の2,560×1,600ドットディスプレイを搭載するといったスペック面で注目を集めている。Xiaomiは国内でAndroidスマートフォンは販売しているが、いまだAndroidタブレットは未発売のため、この製品が日本でも発売されるかは現在のところ分からないが、Androidタブレットの魅力的な選択肢として日本での発売を期待したい1台だ。
以下、主に性能と価格という2つの面から特徴的なAndroidタブレット7モデルを紹介する。
Lenovo Yoga Tab 13 ~映像入力対応の変わり種
「Lenovo Yoga Tab 13」は、映像入力ができるMicro HDMIを搭載し、セカンドディスプレイとして利用できるユニークなAndroidタブレット。ディスプレイも13型と、Androidタブレットの中では大型サイズで、吊り下げ用のフックとして機能する背面スタンドを搭載するなど、個性的な要素を持っている。
プロセッサはSnapdragon 870を搭載し、メモリ8GB、ストレージ128GBとハイエンドのスペック。8万円弱の価格はAndroidタブレットとしては非常に高額で、重量も約830gと持ち運びには重く、アウトカメラや外部ストレージ非対応などスペック面で足りない部分があるものの、セカンドディスプレイとしても活用できる機能は唯一無二の魅力だろう。
また、背面スタンドやフックなどの要素はそのままに、ディスプレイサイズが11型と小型な「Yoga Tab 11」というモデルもある。ディスプレイサイズ以外にセカンドディスプレイ機能が省略されているのが違いだが、そのぶん価格も4万円台と入手しやすくなっている。
Lenovo Tab P11 Pro ~長辺2,560ドットのOLED搭載
「Lenovo Tab P11 Pro」は、Proという名前の通り高いスペックを搭載した11.5型のAndroidタブレット。Yoga Tab 13のような個性的な機能は持たないものの、2,560×1,600ドットの高解像度ディスプレイを搭載し、プロセッサはSnapdragon 730G、メモリ6GB、ストレージ128GBと充実のスペック。電源ボタンを兼ねた指紋認証センサーも搭載している。
ディスプレイは液晶ではなくOLED(有機EL)を採用。カメラは前面カメラとアウトカメラがともにデュアルレンズで、アウトカメラは広角撮影が可能なほか、前面カメラは2つのカメラを使ってWeb会議の背景をぼかすことが可能だ。外部ストレージとしてmicroSDカードにも対応している。
オプションで本体に装着できるキーボードや4,096筆圧検知のペンにも対応しており、オーソドックスな使い方でハイエンドのAndroidタブレットが欲しいユーザー向けの製品だ。価格も6万円台と高めだが、「Pro」という名に見合うだけのパフォーマンスが得られるだろう。
Lenovo Tab P11 ~4G LTEモデルも用意
前述のモデルから「Pro」の名が外れた「Lenovo Tab P11」。Proと比べて画面サイズが11型と若干小さいほか、メモリとストレージの容量も小さくなっており、カメラも前面カメラ、アウトカメラともにシングルカメラだ。
基本的にはスペックダウンと思われるかもしれないが、Lenovo Tab P11がProにも勝る唯一の点がLTE対応モデルをラインナップしている点。Nano SIMカードスロットを搭載しており、テザリングやWi-Fiスポットを必要とせず好きな場所でいつでもインターネットに接続できる。
オプションで本体装着型のキーボードとペンが用意されている点もProと同じ。金額はLTE対応モデルでも4万円台と、Proよりは入手しやすい価格に設定されており、コストパフォーマンスの高い1台だ。
Lenovo Tab M8(3rd Gen) ~8型サイズでコンパクト
「Lenovo Tab M8(3rd Gen)」は8型ディスプレイを搭載した小型モデル。持ち運びしやすい8型サイズを好むユーザー向けの端末だ。
プロセッサはミドルレンジ向けのMediaTek Helio P22Tを搭載、メモリは3GB、ストレージは32GBとストレージ容量がやや小さめだが、そのぶん価格は実売で2万円台と安価で、低価格モデルながらGPSとmicroSDカードにも対応。手頃な金額と持ち歩きやすい8型サイズを魅力に感じるユーザー向けだ。
TCL TAB 10 WIFI ~驚異の1万円台タブレット
「TCL TAB 10 WIFI」は実売で1万6,000円台、キャンペーンによってはさらに安い価格で販売されることもある、低価格が売りの10.1型タブレットだ。
低価格ながらもメモリは3GB、ストレージは32GBと、使い勝手に不満を感じない最低限のスペック。GPSも搭載しているため地図アプリで位置情報機能を利用するのも可能で、外部ストレージとしてmicroSDカードにも対応。低価格モデルながらUSBのインターフェイスもType-Cを採用している点も隠れたポイントだ。
+Style タブレット ~2万円台で充実のスペック
オリジナル家電を多数手がける「+Style」オリジナルの10.1型Androidタブレット「+Style タブレット」。
金額は2万円台と「TCL TAB 10 WIFI」に比べて若干高いが、Android OSは最新の11を搭載し、画面解像度も1,920×1,200ドットとフルHD超のディスプレイを搭載。背面カメラに1,300万画素のセンサーを搭載するなど、細かいながらTCL TAB 10 WIFIよりスペックが高い面もある。
TCL TAB 10 WIFI同様、低価格モデルながらGPSやmicroSDカードにも対応しており機能は必要十分。購入金額は抑えつつディスプレイやカメラは少しこだわりたいユーザー向けの端末だ。
LAVIE Tab E(TE708/KAS) ~8型クラスでは十分な性能
同じ名前で多数のラインナップが存在するNECのAndroidタブレット「LAVIE Tab E」だが、今回紹介するのは型番「TE708/KAS」という8型サイズのモデル。8型クラスはスペックが低めの端末が多い中で、TE708/KASはメモリ4GB、ストレージ64GBとストレージに余裕がある。
価格は3万円台で、2万円クラスの8型タブレットと比べると割高感はあるものの、メモリやストレージは外付けで追加できないため、たくさんアプリをインストールしたい、複数のアプリを同時に起動したいという利便性を重視するユーザーもいいだろう。
一方OSはAndroid 9、USBポートもMicro USBポートでUSB Type-Cには対応していないなどスペック面では最新ではない部分もある点は注意が必要だ。
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