上場企業が運営するネットメディア「Game*Spark(ゲームスパーク)」は2023年5月18日、将来的にネットワーク広告をすべて廃止すると発表した。
収益源の一つを手放す決意の裏には、「ウザすぎる」広告の存在があるという。
「クソデカ広告」が悩みだった
ゲームスパークは、東証グロース上場のイードが運営する。2006年に創刊した老舗ネットメディアで、ゲーム情報を配信している。媒体資料によれば、2023年3月の月間閲覧数は1100万。
同サイトは5月18日、「記事内ネットワーク広告廃止のお知らせ」と題した発表文をツイッターに投稿した。
一部の読者から、画面の大部分を占有する「クソデカ広告」によって記事が読めないとの報告が寄せられていたという。意図しない挙動のため原因を探っているものの、特定に時間がかかっており、複数の広告主または代理店が入札形式で出稿する「ネットワーク広告」の表示を記事ページでは一時的に止める予定だという。
こうしたユーザー体験(UX)を損ねる広告は「売上にもほとんど影響がないので編集部としてもほとほと困っております」と頭を悩ませており、「もしバグに遭遇した場合はリプでもお問い合わせでもコメント欄でも構いませんのでお知らせください。該当URLに加えてブラウザ情報などもあると泣いて喜びます」と協力を求めた。
同様の事象は、22年6月にも情報サイト「Togetter」で発生していた。サイト閲覧中にスマートフォンが発熱する不具合があり、運営会社が「特定の広告事業者から極めて巨大なサイズの広告が配信され、過剰なCPU(中央演算処理装置)負荷が発生していました」と調査結果を発表。問題の事業者はブロックしたとしていた。
ゲームスパークは、「昨今ページを遷移すれば広告、記事を見てればにゅっと広告が挟み込まれるなどウザすぎて(吐き出す顔文字)だった」として、将来的にサイト内のネットワーク広告をすべて廃止すると決めた。時期は追って伝えるという。「ジャック広告」など、広告主が直接出稿する「純広告」は引き続き募集するとしている。